第四話 空の剣
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壊して自由にすると、そのまま曲刀のスキル初動を構える。まさに、受け止めている状態から、鍔を湾刀の刃に添えて。
曲刀専用ソードスキル、カウンター武器破壊技?雷空閃?。
鍔で跳ね上げた湾刀をそのまま刃で砕く。その瞬間、耐久値の切れた曲刀はポリゴンと化し、体に降り掛かる。
「サンキューな……」
使命を終えた曲刀に礼を言うと、硬直時間が終わって瞬時にストレージから予備の曲刀と片手剣を取り出す。対するイルファング王も、本来なら消える筈の骨斧を拾い、相対する。
「グルォオオオオオーーーーー!」
「おおおおおおおおーーーーー!」
イルファング王の骨斧が、俺のクロスガードとぶつかり合い、火花を散らす。
「クレイ!」
「ハーイ!!」
トンっ、と骨斧に乗り、伝っていくと、弱点の喉元に?リニアー?を叩き込む。瞬間、骨斧に込められていた力が抜け、俺は押し返して脱出する。
「クレイ!」
すぐに下がるイルファング王を追い掛け走ると、滞空時間を終えたクレイが手を伸ばす。
「クウト!」
そして、全力で跳躍すると、手のひら同時を合わせる。
「「スイッチ!!」」
曲刀をストレージに仕舞い、片手剣をスキル初動の型に構える。
「終わりだ……っ!」
そして、見えない手が俺を加速させる。
片手剣五連撃ソードスキル?デビル・キラー?。
黒い剣閃が、イルファング王を切り裂いた。
そして、イルファング王は最後に高く吼えーーーーーその体を消滅させた。
訪れた静寂を、破ろうとする者は居なかった。そう、誰一人として。
俺は静かにストレージに剣を仕舞うと、クレイが笑顔で近付いてくる。
「お疲れ様、クウト!」
「ああ……」
素っ気なく言い、クレイの頭を撫でようとした途端。
「ーーーーー何でだよ!」
泣き叫ぶ声が静寂を破る。
「ーーーーー何でディアベルさんを見殺しにしようとしたんだ!」
「……助けただろ?」
「ふざっけんな!現にボスのソードスキルの事知ってただろ!?なぁ!?」
男が叫ぶ。途端、辺りが騒がしくなる。
「……知ってたから何だ。第一層で実装されてるとは思わなかったから口にしなかっただけだ。自己責任だろ、んなもん。第一、人は助けたんだからそれくらいは勘弁してもらいたいものだ」
「んだとぉ!?」
男が詰め寄ろうとしたのをディアベルが止めようとする。しかし、その前に俺は自分の正体を明かす。
「俺はサブゲームマスターの天城だ。この際だから言っておく、俺はこの城の構造・攻略法・ボスデータすべてを頭に入れている。テメェらみたいなゲーマーとは格が違ぇんだよ」
シン……と再び静寂に包まれた。俺は意図的な笑みを浮かべて、その先を口にする。
「テメェらごときが、アインクラッドを語んな。これは本物のデスゲームだ
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