絶対魔王と氷結姫
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少女は走っていた。 ただひたすらに。
右手に剣を持っていてもその速度は落ちない。 眼前に見えるのはまばらに散る無数の魔物。少女はそれすらも無視して駆ける。
少女が走り去っていった二秒後には魔物達は既に絶命していた。
「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」
肩で息をしようがいくら疲れようが少女は走るのを止めない。町が瓦礫の山になってようが足場を見つけては飛び上がり屋根の上に乗って屋根伝いに走る。
「待ってなさいよ魔王??私が倒してあげるわ??」
少女は激昂しながらただただ駆けて行く。
少女はただ先に行った仲間に加勢するため、そして魔王を倒すためだけに魔王の居城を目指す。
降り注ぐ瓦礫の雨を掻い潜ったり魔物の群れが視界に入ればすれ違い様に攻撃をかます。
魔物達は理解出来ずにただただ倒れて行く。
"認識を超える速度の攻撃"。
これが彼女の攻撃だった。もちろんこの他にも魔法が使えるがあくまで彼女の戦闘スタイルは接近戦。
「ちぃ・・・うじゃうじゃと湧いてキリないわね」
そうボヤく少女の前にはワラワラと湧く魔物だった。そしてその少し先に見えるのは魔王が居城とする城が見えた。禍々しい殺気が充満しているのが少女には分かった。
────────私には戦ってくれている仲間がいる。
「そのために私は一刻も早く着かないと行けないのよ??くたばりなさい!
破壊の放流 怒りの豪火 大地に刃向かう愚かさをその身を以って無駄と知れ
砕けろ 『天地熔災の流?《ヴォーゲン・ヴルカーン》』」
少女の足元に展開された魔法陣。それが光を発し、少女が胸に手を置くとさらに力強く発光し広がりながら消えていった。
その直後、魔物達の地面から火柱が上がり魔物の身体を焼き払った。しかしそれだけでは魔物は倒し切れていない。高度数千メートルから10の小型の隕石が魔物を襲う。爆ぜる地面に波紋のように広がる衝撃波は荒れ狂う暴風のようだった。
大小様々なクレーターが出来上がり周辺の家屋は衝撃波によって倒壊していた。少女は魔物が生き残っていないか確認したあと凄まじい速さで移動を開始した。
移動を始めて10分が経過した頃、少女は魔王の城の門まで到達していた。
「ここね・・・。ぶっ潰してあげるわ魔王!」
少女は黒髪のツインテールを靡かせながら自身の十数倍もある門の中央を蹴り飛ばすと同時に剣を抜き頭上に襲い掛かってきた魔物を切り伏せた。魔物は頭から股を真っ二つに切り裂かれ絶命した。
休む間もなく魔王のいる所へ向かう少女。
魔物が襲い掛かってくるが少女にとってそれは障害でしかなかった。
一階、二階、三階と全ての魔物を切り伏せた少女は止まる事なく目指す。
戦っている仲間を助けるため、世界から脅威を無くす為に。そして見つ
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