絶対魔王と氷結姫
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私の世界へ強制招待してあげる。【氷結・絶零度 (ぜつれいど)】」
キズだらけだった身体は嘘のように回復しており、氷雨は空間結界魔法を発動させた。
氷雨とサラディウスの空閑の360度が氷の世界に上書きされて行く。 数秒もすれば地平線まで続く氷の世界に様変わりしていた。
「実は私は異世界人なのよ。向こうでの二つ名は"氷結姫"。氷のスペシャリストなの。さて、少しだけこの空間の事を説明しといてあげるわ。この空間は時間経過によって気温が下がり続ける。大体5分でマイナス5度よ。因みに今の温度はマイナス10度。早くしないと凍死しちゃうわよ?」
最後にウインクしながら恐ろしい事を氷雨は言い放った。しかしサラディウスは寧ろ嬉々としていた。
「これで最高に楽しめるわね"氷結姫"??
はああああああああああ??」
狂気とも言える笑みを浮かべながら氷雨に突っ込んでくる。動きが単調になったものの速度があった為、氷雨は"認識を超える速度の攻撃"を数発叩き込む。が、効いてる様子はない。
「ヌルいのよぉ、その攻撃はぁ??」
絶叫し恐ろしい速度でクラディウスを振るう。氷雨は処理し切れずに何発か食らった。
飛び散る鮮血に顔を歪める氷雨。攻撃の手を緩める事なくサラディウスは氷雨に襲い掛かる。縦、横、斜めの斬撃。
氷雨は其れを受け流してサラディウスを殴り付けた。一瞬サラディウスの動きが停止し、その隙に氷雨は氷壁にサラディウスを閉じ込めた。
「はぁ・・・はぁ・・・。何て攻撃よ・・・。腕が千切れそうな威力してたわね・・・」
息を切らしながらもサラディウスを何とか氷壁の中に閉じ込めた氷雨。何があるか分からないので警戒心を解くことはなく魔力を持続放出して臨戦態勢に入る。
─────────ピシッ・・・
氷雨にも聞こえない小さな音を響かせて亀裂が入った。
一瞬の間が空く。氷壁に光か漏れ幾つも屈折を繰り返したのも一瞬、氷壁は音を立てて爆散し舞い上がる煙の中を人影が駆けた。
「氷雨ええええええええええええ??」
怒号を上げ煙の中から姿を現したサラディウスは太刀筋が視認出来ない速度で振り下ろす。一瞬、反応が遅れた氷雨は肩口から胸を切り裂かれる。 飛び散る鮮血、大量に失われていく血液に氷雨は意識が飛びかかる。
「〜〜〜っ??」
激痛を必死に堪えて前を見ると蹴りが迫っていたので剣を胸元に出しガードする。ズドンッと剣がへし折れるんではないかと思う程の重たい一撃が身体を伝わる。地面を滑って衝撃を逃がす。
「ぐうううぅぅ・・・・・・??」
刀身が手のひらに食い込んで血がポタポタと流れる。緊急処置で全身に魔力を生き巡らせて治癒力を高める。先ずはこの出血をどうにかしなければと判断したのだ。
胸から下が真っ赤に
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