絶対魔王と氷結姫
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ラディウスに斬りかかった。サラディウスも其れに反応し軌道を合わせる。火花が飛び散り、鍔迫り合いになる。サラディウスの右腕が大きく自身の胸元まで寄せられる。
サラディウスは押し返そうと力を入れて氷雨に全体重を乗っけて押し返した。が、氷雨に其れを上方に受け流されてしまう。
「【狂い踊る毎夜《ルナティック・ナイトメア》】私の手のひらで狂い踊りなさい」
サラディウスは受け流された力を利用してその場で右捻りに沈み込む様にスピンし、回転切りを繰り出す。氷雨は其れをバックステップで回避する。サラディウスは飛び上がると体重を乗せて氷雨に斬り掛かるが失敗に終わる。切り返しをして不意を突くも防がれる。
サラディウスは一旦距離を取り魔力を練り上げる。
「これならどうかしら?」
そう言ってサラディウスの左右に剣が出現し浮遊する。左手にも追加しており計四本。真正面から氷雨に突っ込んだ。サラディウスは上下左右から攻撃を展開する。氷雨は其れをギリギリの反射神経で避けたり受け流したりした。
「いつまで保つかしらね」
余裕そうな笑みを浮かべ氷雨に問い掛けるサラディウス。
「あんたにはガッカリよサラディウス・・・」
そう低く、歯軋りをしなから氷雨がつぶやいた。サラディウスの空中に展開していた剣が二本とも弾かれ地面に刺さった。
「なっ??」
「手数を増やしてもその程度の剣術じゃ私には勝てないわよ。見せてくれるんじゃなかったの?歴代最強の力を?
【滅炎球】」
氷雨が片手を空に翳すと、炎が渦巻きながら集まり出す。急激な炎の集まりに比例して氷雨とサラディウス周辺の酸素が減った。
「っ??」
其れを目の当たりにしたサラディウスは巨大な魔法陣を展開しさらに自身を覆うようにしてバリアーを張った。その瞬間巨大な炎の塊がサラディウスの張った魔法陣を割り一秒も経たずにサラディウスをも呑み込んだ。
爆発的に炎が肥大化し小さな太陽が現れたと錯覚に陥る程だった。
「魔法はあまり使いたくなかったのよね・・・。私の魔法が強力過ぎて耐えれる魔物が居ないからね」
形勢逆転と言う表現が正しいか。ほぼゼロ距離で放たれた其れを眺めて氷雨が誰に言うでもなく呟いた。
「ふざっけんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉ??」
炎から聞こえた怒号と共に炎が掻き消されて行った。サラディウスの怒号だ。サラディウスは右腕を斜め上に伸ばし身体を少し捻っている状態で立っていた。 恐らく剣を振り抜いて無理矢理剣圧で炎を掻き消したのだろう。
肩で息をしており呼吸が荒かった。風貌は少しだけ変わっていた。鎧に鎖が巻き付いていたのだ。綺麗だった銀髪は跳ねておりボサボサだった。赤の瞳は怒りに満ち溢れていた。
「たくっ、無茶苦茶ね。剣圧で私の炎を無
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