絶対魔王と氷結姫
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び割れており、皮膚が出ている箇所もある。特に損壊が激しいのが右腕部分だった。肩口から鎧が完全に破壊されており腕の裏側以外は剥き出しだった。
さらに右肩から出血していて右手まで伝っている。
「氷雨の思いは無駄にしない・・・はぁ・・・はぁ・・・行くぞ魔王??」
剣を中段で構え走り出す。 刃こぼれしている剣の刀身にオーラが纏う。
サラディウス目掛けて袈裟斬りを繰り出すが右手を翳すと魔法陣が展開して高い金属音を響かせる。
「・・・・・・遅い。氷雨の攻撃の方がもっと重かったしずっと速かった」
少し低い声色で呟いたサラディウスは懐に潜り込んで強力なボディーブローを捩じ込む。
鎧が音を立てて砕け、破片が飛び散る。
衝撃が辺りに飛散し空気が歪む。 男は吐血しながら壁に背中から突っ込んだ。
ヒビが入った壁に深くめり込む。男はそこで力尽きたのか、右手から剣が抜け落ち力なく垂れている。
魔王の死角からもう一人の袈裟斬りが迫っていた。サラディウスはそれをまるで読んでいたかのように身を翻し其れを華麗に躱す。
黒い棘が男の身体を吹き飛ばし空中へ押し上げる。
「無様ね・・・。あなた達二人じゃ氷雨一人にも及ばないわよ?クス・・・。"魔剣・クラディウス"」
闇の魔力が収束して創られた魔剣・クラディウスの切っ先を男に向ける。
サラディウスは右肩の肩口から斜めに袈裟斬りをし逆手に持ち帰ると柄で腹部を殴り地面に叩き落とす。斬撃を下から斬り上げるように繰り出した。 サラディウスは片膝をあげ魔剣を太ともも辺りで持っており、見下ろすように空中に立っていた。
クルッと踵を返すと、一度クラディウスを振るった。 斬撃は男の落下と同時に男の腹部を切り裂いた。男の腹部からは夥しい血が流れていた。このまま放って置けば出血死は免れないだろう。
サラディウスは男を一瞥すると静かに地面に着地した。
「ふぅ・・・もう少し楽しませてくれるかと思ったけど肩透かしも良いとこね」
小馬鹿にするように大袈裟に肩を竦めて見せた。
「まだトドメを刺すには早くないかしら?」
サラディウスの耳に倒れている筈の少女の声を聞いて僅かに身体の動きが止まる。
「随分頑丈なのね・・・。私の裏拳をマトモに食らった筈よ?まぁ良いわ。しかしあなたも結構残酷なのね?自分の体力回復の時間稼ぎの為に仲間を犠牲にするなんて・・・ね?」
「あら?私は時間の有効活用をしただけよ?それにあいつらもそれは同意済みだわ。切って捨てられる世の中なのよ?仲間に気を取られて殺られたでは其れこそいけないわよ。勝つ為なら仲間さえも利用する・・・。全滅するよりはマシでしょ?」
何を今更と言わんばかりに吐き捨てるように言葉を並べる氷雨。言い終わると瞬時に間合いを詰め、サ
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