絶対魔王と氷結姫
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みつける。その少女は人間というにはあまりに強過ぎた。十分も経たずに魔王の後頭部を踏みつけて悠々と魔王を見下ろしているのだから。
突如少女の足から1メートルぐらいの地面から巨大な黒い棘が少女に凄まじい速さで衝突した。 不意を突かれた少女は全く反応出来ずかなり後方まで吹き飛ばされた。
「少し遊び過ぎたようね・・・。歴代最強と謳われる魔王の力の片鱗を見せてあげるわ。少し強い程度の人間風情が私に勝てると思わない事ね??」
ペッと血が混じった唾を吐き捨てると魔王の銀髪がうねる様に靡く。闇の力が、魔力が爆発的に上昇し始めた。 魔王は人懐こい笑みを見せると口を開いた。
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私の名前はサラディウス。五代目魔王、サラディウスよ。貴女の名前も聞かせてもらおうかしら?」
魔王サラディウスは先程とは違い多少の余裕を見せていた。少女の出方を伺うのだ。
名を名乗るのか、無視して攻撃か、如何なる攻撃に対処出来るよう全身の感覚を研ぎ澄ます。
「私の名前?敵である貴女に教えるのは些か不本意だけど教えてあげるわ・・・私の名前は───────」
言葉を途中で切り、少女は姿勢を低くしてジグザグに駆け出したがサラディウスに読まれていたためサラディウスの拳が少女に振りかかる。しかし少女は身体を無理矢理右斜めに捻り回避した。
「なっ??」
回転して出来た遠心力を利用してサラディウスの身体を真一文字に切り裂く。
「私の名前はヒサメ・・・。朧 (おぼろ) 氷雨よ。その身に刻み込みなさい」
言い終わるが早いか、サラディウスの全身に"認識を超える速度の攻撃"が走った。サラディウスは鎧を装備しているので出血こそしてないないが鎧が壊れるのではないかと錯覚する程の痛みが襲った。
「ぐっ・・・隙ありよ・・・・・・」
技を出した反動で身体が一時的に硬直した氷雨にサラディウスの裏拳が顔面にまともに直撃した。
ミシッ・・・と骨の軋む音が氷雨には聞こえ、そのまま顔面から地面に叩きつけられ地面を転がる。
「追撃よ、喰らいなさい。【ブラック・レイン】」
サラディウスは右手を前に突き出す。するとサラディウスの頭上に黒い穴が出現し、その穴から闇の魔弾が五発放たれる。
狙いは地面を転がっている氷雨。避ける術のない氷雨の身体に無情にも一発直撃した。
氷雨は完全に動きが止まってもその身体はピクりも動かない。
「人間にしては良くやった方だけど力不足だったようね・・・。さて、次はあなた達よ死に損ない」
サラディウスは身体を翻し二人の男を見ながら口角を吊り上げた。
「ぐっ・・・氷雨・・・」
騎士のような格好をした男が倒れている氷雨を心配するように剣を杖にしながら立っている。自慢の銀の鎧はひ
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