絶対魔王と氷結姫
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けた一つの扉。
走りながら剣を下方に構えその扉を体当たりで強引に開きその反動を使って地面を蹴る。
「魔王ーーーーーーーーーーーーーーーー??食らえええぇぇぇぇぇ????」
仲間二人が膝を付く姿は少女の目には写らなかった。その仲間の二人に今まさに止めを刺そうとする幼い少女だけを視界に入れ全力を以って叩き斬った。
甲高い金属音が響くと同時に重くのし掛かる振動に少女は少し顔を苦痛に歪めた。
「何だ・・・仲間がいたのか・・・。この二人は大した事無かったがお前は楽しませてくれるか?」
間一髪。少女の振り下ろした剣は魔王の籠手に阻まれた。否、魔王が反応し左手の籠手で防いだのだ。白銀の髪に紅い瞳、整った顔、頭から生えた二本の角が特徴の魔王。口角を歪ませ狂気に満ちた目で少女を見つめる。
魔王は少女の剣を上に押し上げると蹴りを少女の腹に捻じ込ませた。
「がはっ??」
肺の中に溜め込んであった空気を吐き出され吹っ飛ばされる少女。しかし直ぐに起き上がると右腕を水平に伸ばす。すると剣が少女の右手に吸い寄せられるように戻ってきた。
「今日はホント客人が多いわねぇ。貴女達と戦う前にも9人くらいここに来たのよ?
全く勘弁して欲しいものだわ」
魔王はため息をワザとらしく吐いて大袈裟に肩を竦めて見せた。
「うるさいわねぇ・・・少し黙りなさい??」
少女は剣を上から下に振り抜きながら怒鳴る。地を蹴って間合いを詰めた。
魔王はそれに反応し身構えようとした瞬間、魔王の鎧の腹部に衝撃が走り体制を崩す。
驚きのあまり目が見開き声が詰まった。
「はああああああああああああああああああああ??」
体制を崩した所に容赦ない一撃が見舞われた。魔王はクルクルと回転し地面を滑るようにして体制を立て直した。
「あなた、今何をした?」
苦悶の表情を浮かべながら敵である少女に問い掛ける。
「敵であるあんたに教える訳ないでしょー??
馬鹿じゃないのっ??」
案の定少女は教えてくれなかった。少女は剣から三日月状の斬撃を縦、横、斜めの順に恐ろしい速さで繰り出すと同時に音速で魔王の背後に回り込む。
魔王はそれを魔法陣を展開して防ぐ。間髪入れずに横薙ぎが視界に入る寸前に上空へ回避した。
しかしそれを見逃す少女ではない。
「良い運動神経じゃない。よっ・・・!」
少女はバク転をしながら魔王に斬りつける。
魔王はそれに反応出来ず腹部にもらい、さらに空中から一気に叩きつけられた。
「がっ??」 先程の少女と同じように肺の空気が無理矢理押し出され一時的な呼吸困難に陥る。
「魔王も案外大した事ないわね。急いで来たけどその必要もなかったかしら・・・ね!」
少女は言い終わると魔王の後頭部を踏
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