秋山 駿
第一章 崩壊する生活
第八話 襲撃
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にも連れていき、健康状態である事も確認済みです。色々思う所もあると思いますが、今は澤村遥の安全だけでも確保しなければ。喜瀬の奴は、恐らくまだ諦めていません」
そうだ、まだこの問題が終わったわけでは無い。
遥は、まだ狙われる可能性がある。
「秋山さん、喜瀬が本気で関わっているとわかった以上、この依頼は終わりです」
「何ですって?」
「私だけでは、貴方の安全は保証できない。巻き込んだ私にも責任はありますが、ここからは日陰者の出番です」
巻き込んで申し訳ないと何度も繰り返し、頭を下げる大吾の姿。
遥も戻ってきた、引き返すなら今しかない。
そう頭でわかっていても、秋山が溜息の後に飛び出した言葉は、提案とは真反対だった。
「……いやぁ、堂島さん。俺はね、そういう訳にいかなくなったんっすよ」
「えっ?」
その言葉を聞いた大吾の顔が、少し強張る。
次の言葉を察してなのかどうなのかはわからなかったが、明らかに納得のいっていない表情を見せる。
馬鹿な事を言ってるなと、頭の片隅で呆れていた。
「俺はこのまま、桐生さんの足取りを追います」
「何を馬鹿な事を。危険です、ここから先は堅気が踏み入ってはならない」
珍しく声を荒げて話す様子に驚きを隠せなかったが、それでも決意は変わらなかった。
「命の恩人に、桐生一馬という男に俺は惚れたんですよ。時間の猶予が無いかもしれないこんな時に、このまま放っておくなんて真似出来ません」
数年前ミレニアムタワーで起きた、とある爆発事件。
突然夜空を舞った大量のお金、1億円の伝説。
当時ホームレスだった秋山が、それを元手に金貸しへと転身したキッカケとなった。
そこからは必死になって足掻いた結果今があるのだが、元を辿れば全て桐生一馬という男のお陰である。
だからこそ、恩返しがしたい。
微笑みながらも決意の眼差しの秋山を見た大吾は、少しの迷いを見せた後ガックリと肩を落とす。
「仕方ないですね。私の方から、出来るだけサポートはいたします。私も……いやっ俺も、桐生さんを見つけたいですから」
互いの決意を確かめ合い、安堵の空気が広がる。
ただその空気は、パァンッと乾いた音で一瞬で吹き飛んだ。
それが銃声だと気付いた時には、既に大吾の腹部から血が滲んでいた。
「堂島さん!!」
「いたぞ!!6代目だ!!」
その掛け声と同時に、沢山の銃弾が飛んでくる。
秋山はすかさず遥を抱え上げ、大吾を引っ張って走った。
偶然か否か、屋上にそれみよがしに置いてあったコンテナへと慌てて隠れる。
落ち着く間もなく銃弾が雨のようにコンテナへと撃ち込まれ、状況を確認する為に顔を出す事すら叶わなかった。
「遥
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