第3章 リーザス陥落
第49話 リーザス解放軍結成
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さい!!」
そんな中、怒号が飛ぶのは志津香の声だ。
リーザス屈指の魔法使いである《アスカ》を相手にしているから、志津香には余裕はまるでない。かなみと一緒に戦っているとは言え、相手は本当の敵じゃないのだから、怪我の1つもつけたくないのだ。その容姿的にもそうだ。
「し、志津香! 危ないよっ!」
かなみが、必死にフォローに回る。アスカの魔法は 水を中心に使っている。おまけに、広範囲の水魔法である迫撃水を撃ち放たれてしまっているのだ。
「大丈夫っ! 粘着地面・蒼引!」
勿論志津香も、この相手だ。油断などはサラサラしていない。彼女の放った粘着地面は 最近ではランスの足止め程度にしか使っていないのだが 勿論戦闘でも十分に使える魔法であり、事、足止めにおいてはかなり優秀な魔法である。
そして、志津香がこの時使った粘着地面は 流動する水をも、くっつけてしまい 広範囲に広がる迫撃水を完全に止めたのだ。
「マリアが得意だった魔法だったしね。……何度も見てるのよ」
カスタム四魔女の中で最強である志津香。その知識と魔力は リーザスの将軍にも引けを取らないのだ。
「……凄いっ」
かなみも、驚いている。広がる水をどう避ければ良いか、火を扱う忍術が中心のかなみには、ぶつけるには相性が悪すぎるから、ダメージを覚悟していたのだが、志津香が完全に止めてくれたのだ。
「志津香も気合入ってるわね〜〜。こりゃ、甲乙つけがたいわ〜」
「むむむーー!! 負けないですよー!」
「だから、遊ぶな!! 真面目に戦いなさい!!」
「はははは! こんな大乱闘で、何で、こんなに笑えるんだ? すげーぜ。こんな安心出来る戦いって初めてってもんだ!」
「うぅ、私も頑張る!!」
「私も……」
和気藹々としている乙女達だが、勿論戦っている。
普段の防衛戦よりも 大規模な数。……確かに 完全に油断し 戦いにすらならないとまで思っていたヘルマン軍だったが、それでも 通常であれば徐々に地力の差が出てくるものだが、一切出てこない。
魔人の使徒であるサファイアが《ストロング》と認めた程のモノは、今 この戦場の中心で戦っている《彼》だけじゃなく、この乙女達の事でもあるのだった。
「ほんと、大したもんだよ。……アイツらは」
将軍2人相手に、捌ききっているユーリ。あの訳の判らないロゼの言葉はとりあえず置いとく、確かに 士気向上はした様だから。……その内容は深く考えていない様だった。それが 乙女達にとっては辛い出来事。
そして、操られている状態でとはいえ、将軍2人相手をしつつ、周囲に気を配れるこの男が、この場で一番人外であると言う事は 最早言うまでもない。
〜地上灯
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