暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第49話 リーザス解放軍結成
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ないです……」
「そんな……」

 ストーン・ガーディアンの厄介さを知っているマリアとシィルは、かなり動揺をしているが……、やっぱりランスは変わらなかった。

「……後悔させてやるよ」

 それは、突然だった。先ほどまでの猫なで声が信じられない程の野太い声となり、低く室内に響き渡るのだ。

「おお?」

 流石のランスも驚いたのか、目を見開いていた。

「てめぇらごとき、羽虫が邪魔して瓦解するほど、ヘルマンは脆弱じゃねぇ! さっきのオレに対する暴言の罪。ヘルマン第3軍大隊長直々に、裁いてやるよ!」

 野太い声と共に、身体が変身しているようだが、それは足先が少し石化しただけだった。

「ハァァァァァァァッ!!」

 気合と殺気が等しく入り混じっているのだが、肝心の変身が遅い。

「………」
「えーっと……」

 シィルとマリアは、初めこそ怖がっていたのだが……途中から変わっていた。
 この速度なら、一体いつになったら、ストーン・ガーディアンに変身出来るのか?と思っていたようだ。声もただの威嚇程度にしか聞こえない。

「おい、まだかかるのか?」
「ハァァァァァァァァァッ!!」
「無視するとは 死刑だ! このオカマ野郎!! 死ねーーーっ」

 ランスは、一切躊躇せず、剣でヘンダーソンを斬りつけた。

「ぎゃあああっ!!」

 当然だが、無防備にその一撃を受けてしまった為、盛大に血が流れる。血とともに、先ほどの威圧感もすっかり霧散してしまっていた。

「ちょっ、あんた……まだ、こっから……」
「長いわ! それにオレ様を無視しただろうが!」
「き、気合を入れてたら、声なんか聞えないわよ……」
「しるか!」

 ヘンダーソンは、力尽き その場に崩れ落ちた。その真の力とやらを一切発揮すること無く。

「はぁ、気持ち悪い! 漸く死んだか。まったく、気持ち悪いだけでなく、変なオカマだったぜ」

 ランスは、剣に付いた血を振り払いながら、一息ついていたその時だ。

「ぐぅぅぅぅっ!!」
「うおっ!? 生きてた!」

 相応の手応えがあり、血溜まりも出来ていたのにも関わらず、ヘンダーソンが再び野太い唸り声を上げたのだ。だが、ランスの発言を訊き、首を左右に振っていた。

「ぐふっ……、いえ 最後の足掻き、この傷じゃ、もう ダメね……」

 ヘンダーソンは、血まみれになりながらも、先ほどの突然の変貌、ヤクザじみた雰囲気も完全に消え去っており、何故か判らないが、ランスのほうを暖かい眼差しで見つめていた。

「取るに足らない、男、だと思ってた。……そ、そう、言うならば 紛れ込んだにゃんにゃん……。なのに、その実 獅子だったなんて……、惚れちゃいそう、ね。食べちゃいたいくらい
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