■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆初めての絶望、そして希望
第十二話 レクチャーその一、『見切り』
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取れないんだから、その隙に攻撃しなきゃ。」
ふむふむ、なるほど、と呟きながらテツオはサチと交代する。
「さっきの模擬戦で分かったんだけど、サチの問題はやっぱり敵の攻撃が怖くて盾をしっかり構えてられないことにあると思う。」
「そう……だね。話したと思うけど、私、いままでずっと長槍だったからさ、盾と剣持って前衛とかほんとおっかなくて。」
「そうだよね。それなんだけど、怖いのもあるけどさ、サチは盾を信用しきれていないってこともあると思うんだよ。」
「盾を……信用?どういうこと?」
「盾ってのは基本的には一切のダメージを防ぐことができるすごい防具なんだよね。武器を使って敵の攻撃を弾くとさ、どんなに上手に弾いても必ず少しはダメージを受けちゃうんだけど、盾は筋力パラメータが十分にあって、敵の攻撃に合わせて弾ければダメージは一切通らないんだ。話変わるけど、サチはどの武器を使う人が一番死にやすいか知ってる?」
「うーん……短剣、とか?」
「うん、そうだね。二番目はなんだか分かる?」
「うーん…………?」
「実は二番目は槍使いなんだ。敵が間合いに入らなければ強いんだけど、盾役が何らかの理由で倒れると防御できなくてやられちゃうからね。それじゃ、逆に一番生存率が高い武器はなんだと思う?」
「片手剣かな。」
「そう、片手剣。その理由は、やっぱりその盾にある。レベル差がある敵相手ならソロで挑んでも基本的にダメージ受けないですむっていうのが強いんだよね。ソロで生き残ってるプレイヤーの四割は片手剣の剣士だよ。」
「ふうん。じゃあ盾をちゃんと使えれば例え一人でも死なずにすむってこと?」
「そう、そのとおり。上手く使えれば槍よりずっと安全だよ。そのためには、どんなに怖い敵が襲ってきても恐れずに『見切る』こと。敵の攻撃がちゃんと読めれば絶対負けないよ。」
「分かった。敵の攻撃をしっかり見るんだね。」
「そういうこと。それじゃ、行くよ。僕がどんなスキルを使っても僕から目を逸らしちゃだめだよ」
サチは怖そうに、でもしっかりと頷いた。
マルバはサチから六メートルほど距離をとって短剣を腰におさめたまま、右手を握る。態勢をとても低くして握った右手を腰に構えると、その右手が光を帯びた。サチは見たこともないスキルに目を見張る。思わず盾を持った手がぶれる……が、先程のマルバの言葉を思い出し、盾をしっかり握り直す。大丈夫、しっかり構えてれば絶対大丈夫、とつぶやく。
その様子を見ていたマルバは、サチがしっかり盾を握り直したのを見届けると同時に右足で地面を蹴った。体術突進系スキル、『玄燕』。かなり速いスピードで飛び出す身体を、踏み出した右足の力を使って更に加速する。
サチはマルバのあまりの速さに思わず目をつぶってしまった。が、す
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