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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
49 避けられない未来
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そのコマンドを入力すると、ガレージのコンクリートの壁が2箇所程、せり出してくる。
壁に見せかけて引き出しのような仕組みになっているのは先程も見ているが、やはりそのコンクリートの塊が迫ってくる光景は迫力がある。
彩斗はハートレスが所持しているディーラーの試作品の中から使えそうなものを探し、それが保管されている引き出しを開いただ。
椅子から立ち上がり、目的のものを幾つかチョイスしてPCデスクの上に並べた。

「あと必要なのは…高度。ウェーブロードを使うか?いや…ウェーブロード上から現実空間の標的に攻撃を仕掛けるのは不可能。周波数をコントロールして半分現実空間にいる状態から出来たとしても威力は…」

そんなことを呟き、頭を回転させながら、ハートレスが中身を調べていたであろう自分のトランサーからPCとの接続ケーブルを引き抜いて左腕に装着する。
彩斗が見出した僅かな希望、それはデンサンシティがメリーやアイリス、そしてミヤのように自分にとって大切な者が安心して過ごせる街になるように、少しでも蔓延る悪を減らすことだった。
放っておいても燃え尽きていく命、失われていく時間、消えても誰の目にも映らない存在、そして偶然にも得てしまった強大な力。
条件としてはほぼ完璧だ。
特に力に関しては、これくらいしか使い道など無い。
スターダストを使った者にしか分からない。
この力は暴力でしか分かり合えない相手を圧するためにある。

「トラッシュ!いるんだろ!?」

彩斗はハートレスのビジライザーを通してガレージの中を見渡す。
力を失った今の彩斗は肉眼では電波を見ることはできなくなっていた。
ビジライザーを通してみる世界はついこの間まで当たり前だったはずの世界だった。
色んな色の線と波が飛び交う未知の世界。
その世界で伝説に登場するグリフォンのように攻撃的なフォルムを持ちつつも、それを忘れさせる落ち着いた佇まいでトラッシュは彩斗を待っていた。

「また力を貸してもらうぞ」
『……』

案の定、トラッシュは何も喋りもしなければ、首を振ることをもしない。
しかし今までの行動から考えれば、聞こえていない上、自分で判断する機能を持っていないと言うわけではないはずだった。
戦闘中は指示した通りに武器へと姿を変えるし、彩斗が行動不能に陥った時はわざわざハートレスに助けを求めに1人で行動した。
だがこの時ばかりは彩斗はトラッシュの少しも変わることのない鋭い表情が何処か悲しそうに見えた。

「君は僕の命があと僅かだということまで全て知ってたのか?」
『……』
「どうしてこんな欠陥だらけの僕を選んだ?社会から消えても誰にも気づかれない人間だからか?」
『……』
「そうか…答えられないのか、答える気が無いの
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