精神の奥底
49 避けられない未来
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量のモニターに演算処理が開始した。
「最後にアクセスしたファイルは…パスワードがいるのか」
彩斗はキーボードに指を乗せた。
指は彩斗が思い描くことをPC上で実現するコマンドに変換して動き出す。
「ツメが甘いよ…」
不思議と難しい暗号には思えなかった。
全てのデータを暗号化してしまえば、普段の使用する時、いちいちロックを解除しなくてはならず面倒だ。
だからこそハートレスも何か重要な作業をするのに必要なもの以外は大したセキュリティを掛けていない。
彩斗自身もそうしている。
セキュリティばかりを優先すると、利便性が大きく落ちてしまう。
インターネット閲覧ソフトやワードプロセッサー程度なら特に必要な権限無しに動かせた。
しかもこの家はニホン全体のインターネットシステムがダウンしている中、衛星接続による海外のネットワークへのアクセスが可能なのだ。
heartless:~$ wget http://autumn_moon.net/images/.shtools/analyze/toolkit.tar.gz
?-02:37:11? http://autumn_moon.net/images/.shtools/analyze/toolkit.tar.gz => ‘toolkit.tar.gz’
Resolving autumn_moon.net… 193.2312.89.122
Connecting to autumn_moon.net[193.2312.89.122]:80… connected.
HTTP request sent, awaiting response… 200 OK
100%[=======================>] 341,221 4.1M/s
USBメモリーやSDカードを含めた自らの武器とも言えるデータの詰まったがストレージが手元に無い時のために、海外のサーバーにツールキットを隠していた。
ダウンロードして解凍し、パスワードを解析する。
「ビンゴ」
パスワードは南京錠の如く、あっさりと敗れた。
よくアクセスが故にセキュリティは比較的低めにするというのも防御の1つだ。
セキュリティを強固にしている程、重要なデータだと思わせることが出来る。
すなわちセキュリティが高いものを囮にすることで本当に大切なデータを隠すということも可能なのだ。
彩斗はハートレスが自分に何か隠していることは分かっていた。
このデータがそれに直接的に関係しているかは分からない。
しかしセキュリティをかけている以上は何かしら大切なデータなのは間違いない。
彩斗は一瞬、躊躇うように指が鈍るが、すぐさまEnterキーを押した。
「日誌?じゃない。何だろ、この数値は?」
それ
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