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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
49 避けられない未来
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シドウがタワーを眺めながら、眠りに落ちた頃、同じくタワーを眺めている者がいた。

「...作業は順調か?」
『ハイ、あと20分程で完了します』
「終わったら、すぐに撤退しろ。痕跡も残すな」
『了解』

安食空夢だった。
Valkyrieは、ディーラーの関与している施設の1つである図書館を占領して、仮の拠点としていた。
無線機で指示を済ませ、シドウと同じくカロリーゲッターを口に含んで、水で押し流す。

「どうだい?身体の調子は?」
「...お前か。上々だ。傷口はほぼ塞がっている」
「なら良かったよ。ところでオレを呼んだでしょ?何か用?」

安食の後ろには、例の銀髪の少年が立っていた。
安食ですら、全く気配を感じることはなかった程に素早い動きで何処からともなく現れる。
これが、この少年の特徴だ。
神出鬼没、そんな言葉がピッタリと合う。
少年は安食のことを心配しているような素振りを見せるが、顔は相変わらず幼くも不敵な笑みを浮かべている。
いつものことだが、安食にもこの少年がどこまで本気で心配しているのかは分からない。
つまらなくなっていきなり興味を失っては、別のものに興味を持つ子供のような行動と言動は全く読めなかった。

「そうだ。約4時間後の6時30分、高垣美緒がWAXA関連の医療施設からWAXAニホン支部へと移送される。襲撃して高垣を連れ戻せ」
「へぇ。まだ生きてたんだ、あのオバサン」
「WAXAに捕まったと、報告したのはお前だろ?」
「いやいや、ホントのこと言うと、捕まって運ばれていく段階でスターダストに電気ショック食らって虫の息だったのよ。だから今頃、死んでるかとね」
「......」

ケラケラと笑っている少年に腹を立てながら、安食は冷静を装う。
この少年の今までの一連の行動を見ると、相手を煽り立てて冷静さを欠かせた上で手玉に取ろうとする。
これは安食の専売特許とでもいうべき手法であり、誰よりも知り尽くした手であるため、すぐに分かってしまう。
ここで少年の策略に乗ってやるつもりは無かった。

「まぁ、いいが、受けるのか?受けないのか?」
「もちろん受けるさ。それなりに恩があるし?でも少し嬉しいなぁ」
「何が?」
「安食ちゃんも、今回の作戦の功労者である高垣美緒に恩義を感じているみたいで。ちょっと残酷な...ね?」

「お見通しか...高垣には特等席で見てもらおうと思ってね。自分の『最後』の晴れ舞台ってやつを...」

安食は少年以上に不敵で楽しそうな笑みを浮かべた。

「フッ、了解。取り返したら、何処に連れてったらいい?」
「ここだ。このビルの最上階。デンサンタワーがよく見える」
「本当に特等席だ。安食ちゃんや...お主も悪よのぉ」

少年はそう言って、安食に背
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