1話
[17/17]
[9]前 最初
華琳様、ですか。貴女らしい、綺麗な響きだ」
言葉を遮り、華琳様が真名を託してくれた。その気持ちが、嬉しく思う。
「我が真名は……、奉。最初に主に捧げると決めていた名です。貴女と共に戦った者の中に、そう言う者がいたと覚えて頂ければ――」
そう言葉を紡ぎ、目を閉じる。先ほどから、言葉を続けるのが億劫だった。瞼が重く、酷く眠かった。笑みを浮かべる。ちゃんと笑えているだろうか。それだけが気がかりだった。
「ええ、大丈夫よ奉。あなたの事を、私は忘れない。あなたのおかげで、私は飛躍できるのだから」
戯志才が息を引き取った後、華琳は小さく呟いた。その言葉に、どれほどの思いがこもっているのかは誰にも解らない。それは曹操だけが知る事だった。
[9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ