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迷子の果てに何を見る
第六十五話
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side out







side レイト


あの馬鹿はまだ起源のことを悩んでいたのか。まったく、そんな所までオレに似なくても良いのにな。まあ、零樹の勘違いを正せるかどうかはナギに任せるしかないな。勘違いを正せないのならここで敗れるだけのこと。

「零樹、お前はオレなんかよりも大きい男だ。オレが保証してやる。だから自分で勝手に枠を作るんじゃない。お前はそんな物に縛られる様なものじゃない。縛られるのは愛する女だけで十分さ」

誰にも聞こえていないだろうがオレは口に出す。伝わってくれれば良いんだがな。
世界からの拒絶による崩壊が更に進んでいく。存在が少しずつ薄れていき、関わりが薄かった人たちの記憶から忘れられていき、矛盾を埋める事象が書き換えられていく。まあ、これ位なら再度の修正は簡単だができれば早めに終わって欲しいな。
おっと硬直状態が動くな。




side out







side ナギ(零樹)


目の前のオレの行動が変化する。相打ち狙いの様な、正確には自分へのダメージを無視した行動に変わる。ならばこちらもそれに合わせるだけ。この姿を見せた以上やることはいつもと変わらない。鏡の様に、影の様に同じ動きで張り付くだけ。後は世界が拒絶してくれる。いつもと違うのはギリギリでこの姿を止めるだけ。その後は一撃を与えれば倒れる。だから何も考えるな。自我を殺せ。

「ははっ、楽しくなってきた。そう思ってるんだろう」

「なつかしいな、生きるか死ぬかのこの現状。レイトの修行中みたいな感じだ」

「「……よく生きてるよな、オレ」」

共にボロボロになりながらも状況は激しくなっていく。既に舞台は破片しか残っておらず空中戦にもつれ込んでいる。舞台は魔法の射手の流れ弾で粉砕された。

「喰らえ新必殺螺旋丸」

目の前のオレが雷の暴風を術式固定した状態で投げてくるのを多重障壁で受けながら雷の斧を叩き込む。もちろんそれは分かっているとばかりに回避される。さっきからそんな感じで戦いが続いている。

「思いつきでやってみたんだがこれも防がれるか。あ〜、どうすっかな〜」

当たり前だ。そもそもオレも考えついているからな。
拒絶が酷くなっているのか観客が錯乱し始める。というより立っているのが辛くなってきた。

「さて、限界が近づいてきてるみたいだな。覚悟は良いかオレ」

「はん、そんなことは知らねえな。オレの限界はオレが決めるもんだ。そしてオレは……そろそろヤバいかな。な〜んか記憶やら何やらが」

同時に片膝をつく。本気で限界が近い。これ以上は僕も、ちっ、限界が来ていたか。纏って
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