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迷子の果てに何を見る
第六十三話
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と点もあるし線も普通に見える。それでも数は少ないけど)。それと同時に激しい頭痛が僕を襲う。

「ものを殺せるのが自分だけだと思うな」

『殺人貴』が立っている場所を崩せる点にナイフを投げる。点にナイフが刺さるとその周辺が崩壊していく。それに一瞬だけ驚いていたがすぐに『殺人貴』はその場を離れる。

「『直死の魔眼』?いや、そのアーティファクトの力か」

「正解、『直死の片眼鏡』それが僕のアーティファクト」

名前の通り『直死の魔眼』と同じ能力を身につけれる片眼鏡だ。ただし、『直死の魔眼』とは脳と一体である。そこを無理矢理魔法で接続するので脳に多大な負担をかけることになる。元から『直死の魔眼』も脳に負担をかけるが『直死の片眼鏡』の負担はよりはマシだ。並列思考込みで1回死ぬ位に辛いものがある。試合終了位までなら持つけど。

「さあ、これからが本当の試合だ」

先程とは打って変わり、僕が『殺人貴』を押し始める。基本的な身体能力はこちらが上で唯一劣っていた『直死の魔眼』をアーティファクトで代用することによりステータス上では完全に圧倒している。どんな状況でも諦めず、線をなぞり、点を貫いてきた。単純ではあるがそれが恐ろしい。単純とは欠点ではない。単純とは嵌まれば恐ろしく強いということだ。そして『直死の魔眼』は普通の攻撃を致命傷に変えることの出来る。だからこそ同じ能力を所有すればその単純な攻撃範囲を見切ることなど雑作も無い。それでも食い下がれるのは圧倒的強者を相手に戦い続けた経験によるものだろう。だが、それもここまで。小刀を弾き飛ばし、残っている僅かな舞台上に押さえつける。両手両足を完全に押さえつけ、動けない所に魔法の射手を殺さない様に叩き込む。完全に抵抗が無くなるまでそれを続け、勝者宣言がされると同時にアーティファクトをカードに戻す。
あ〜、頭が痛い。けどこれで最低条件はクリアできたはず。そして舞台を離れる前にやっておかなければならないことが一つだけ残っている。舞台脇で観戦しているベイダー卿に向かって叫ぶ。

「ベイダー卿、あなたに大事な話がある。次の試合、素顔で来て欲しい。男として大事な話なんだ」

「……大事な話とは」

「ベイダー卿、いや、ナギ・スプリングフィールド。あなたの娘を、アリスを僕に下さい」

会場が一気に沸き上がる。特に、魔法先生達が。今まで行方不明だった英雄が目の前に居ることに。
ベイダー卿が仮面を外し素顔を曝す。そこにある顔は英雄としてではなく一人の父親の顔をしたナギ・スプリングフィールドの顔がある。

「アリスが欲しい、か。なら、オレを認めさせてみろ。アリスを守ってやれるだけの力をオレに」

「最初からそのつもりです。というより認められなかったら駆け落ちでも何でもしま
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