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迷子の果てに何を見る
第六十三話
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んは真祖としての再生力で再生を繰り返し、私は傷を治療する暇もなく徐々に押され始める。
これは仕切り直しをする必要がありますね。そう判断すると同時に一気に離れる。

「あらあら最初の威勢はどうしたのかしら」

「だからこその仕切り直しですよ。手を変えさせてもらいます」

パクティオーカードを取り出し、そのまま構える。

「アーティファクトを出さないの」

「これはあまり人に見せる様な物じゃないので」

「なるほど、お父様のアーティファクトいうわけね」

「それから、絶対に躱して下さい。当たればリーネさんでも死にます」

「…………嫌と言ったら」

「それがヴァサヴィ・シャクティだと言ってもですか」

「!?なんて物を引き当ててるのよ」

「知りませんよ。とりあえず絶対に躱して下さいよ。最悪『開演の刻は来たれり、此所に万雷の喝采を』を使いますけど、出来るだけ躱して下さいよ。これを外したなら私はギブアップします。というより魔力切れで倒れます」

「意地でも躱すわよ。といより魔力切れを起こしてどうやって『開演の刻は来たれり、此所に万雷の喝采を』を使うつもりなのよ」

「零樹から魔力の供給を受ければなんとか1回位は発動できます」

「あなた、試合中にも供給して貰っていたでしょうが。そんなので大丈夫なの」

「零樹本人が良いって言っていますから。何か隠し球があるんでしょう」

「そう、なら来なさい」

睨み合い、互いに一歩も動かずに魔力を込め始め、足りない分を周囲からかき集める。私はパクティオーカードと足に、リーネさんは足と頭に。あまりの魔力の密度に慣れていない観客が体調を崩し始める。


ヴァサヴィ・シャクティ−−−−
インドの叙事詩「マハーバーラタ」に出てくる英雄、カルナがその身を不死身にする黄金の鎧を奪われる際にあまりにも高潔であった為にインドラから授かった雷光で出来た槍。そして数少ない対神宝具の一つ。


もちろん私のアーティファクトはレプリカだ。レプリカだがこの世界にアレを受けて死なないものは無い。それだけの威力と概念が込められている。むやみに振るうべきではないと理解している。だが、それでも自分の幸せを手に入れる為なら






















世界を壊すことも厭わない




















リーネさんはどっちに逃げる?
右か左か、それとも
観客の一人が倒れた音と同時に動き出す。
狙うは上。
単純に考えて一番広い空間は上。

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