第六十三話
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が伝わっている。鬼斬り、雷斬りなど名前の頭に付いている文字に対して絶対的な力を誇る一般人にすら知られている宝具。銘斬りはそれら全てを合わせた様な、正確にはこのように
「糸を切り払え」
『○○を切り払え』という言葉により起動し、一定範囲内にある○○だけを斬ることが出来る刀となります。
起動と同時に刃紋が浮かび上がり一振りで範囲内の糸を切り払い、砕け散る。
銘斬りの唯一の弱点は素材の問題で一回で使い捨てになることです。また、名称が不確かでも効果がありません。
とりあえずはこれでリーネさんの糸を封じることが出来ました。次にゲイ・ジャルグと一冊の魔道書を取り出します。なんでゲイ・ジャルグを出すのかはすぐに分かります。だって、目の前には既に魔力糸が私を捉えようとしていますから。魔道書を腰のホルダーに納めゲイ・ジャルグを振り、魔力糸を霧散させていく。リーネさんは魔力糸を操りながら断罪の剣で斬り掛かってくる。これに反応できずに身体を貫かれる。口から血を吐きながらも腰の魔道書に手を伸ばす。
「NON SANZ DACICT」
その言葉と共に世界が改竄され再び、ゲイ・ジャルグと魔道書を持ち魔力糸が迫る状況に移る。リーネさんがそのことに一瞬、気が反れた内に安全圏に逃げる。
「一体、何をしたのかしら。私の魔力糸は確かにゲイ・ジャルグに霧散させられて、断罪の剣があなたを貫いたはずなんだけど」
「私の台本にはそのような事象は書かれていませんからね。やり直させてもらいました」
「チッ、厄介な宝具ね。台本とやり直すという言葉から創作家であり役者である。そんなの居たかしら?」
「ええ、居ますよ。創作家としては超が付く程有名です。役者としては貧乏な頃にやっていただけですが、そちらの方もそこそこ評価されていたみたいですね。私の祖国の英雄ですね」
「成る程ね、シェイクスピア。ペテン師で詐欺師にして物語至上主義者。所謂、変人で不躾な男の宝具である以上はそんな能力があってもおかしくはないわ」
「ちなみに、これは投影によって編み出しています」
「投影で?それにしては再現率が、まさか!?オリジナルを」
「ええ、村に居たスタン老の家にありました。それになんだかこれとは相性が良いみたいです。理由は分かりませんが」
もの凄くしっくりとくるんですよねぇ〜。本当に理由は分かりませんが。
「さて、続けましょうか」
再びゲイ・ジャルグを構えて突撃する。魔力は本契約のラインから零樹に送って貰い、何か決定的なミスを犯せばその度に宝具『開演の刻は来たれり、此所に万雷の喝采を』で世界を改竄しながら押していきます。それでもリーネさんはそれにすぐに慣れ、接戦になります。お互いに細かい傷を付けあい、リーネさ
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