第六十二話
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私の本来の戦闘スタイルとは異なる二刀流は主に空中戦、つまりは翼を出した状態での戦闘スタイルです。空中では360度全天からの攻撃を受ける羽目になる。だから、私達はそれぞれ地上と空中とで戦闘スタイルが変わることが多いのです。私が選んだこの二刀流も攻撃をタケミカヅチ、防御を舞姫という使い分けによる戦闘スタイルです。
まず、二刀を操ることで地上戦より増える空間を埋める。次にタケミカヅチは刀というよりは大剣に近い。つまりは重いのです。これを有効に扱う為に攻撃は基本的に重力に逆らわずに回転し続けるように斬り続けるといったものが基本です。
正直に言うと空中戦は嫌いです。翼を曝すことは別に構わないが背中を相手に見せることになるスタイルと踏ん張りが利かないというのが好きではない。踏ん張る為に魔力を余分に消費し、足場を作るということも考えましたがそんな余裕は姉弟間では一切無く、それをする位なら背中を見せる方がマシだっ「とっとと戦えや」……無粋ですね。
「こっちは金を払って見に来てんだ。そんなつまらん芝居を「黙っていてもらえますか」
暴言を吐く観客の目の前に移動しタケミカヅチと舞姫をクロスさせハサミのように首筋に当てる。
「な、何を「時間が無いので率直にいいます。邪魔をする者を殺すのは反則ではないのですよ」ひぃ」
刃を少し滑らせて薄皮一枚を斬る。場外カウントが取られているので舞台に戻る。一瞬の沈黙の後に罵声とブーイングが包み込む。更にはゴミなどが投げ込まれる。会場のほとんどが敵に回る。だが、それがどうした。私は自分が間違ったことをしたとは思っていない。なら罵声やブーイングなど、ただのBGM。私の心には一切響かない。そして無知な観客に再び思い知らせる。
『百烈桜花斬、弐の太刀』
観客席には超々硬度の障壁が張られていますが弐の太刀はそんな物を無視してすり抜け、対象を切り刻みます。
私はともかく、彼やリーリンと呼ばれる彼女、そして私の家族を侮辱する観客の髪を残さず切り落とす。例えそれが女性であろうとも。
「殺しますよ」
この大会初の殺気を観客に対して放つ。途端、我先に観客が逃げ出します。逃げなかったのは選手と私達の監視でもしているのであろう魔法先生、それとリーリンと呼ばれた女性、それと審判と他数名程度だ。まあ、こんなことをしたのには訳があります。少しでも彼の決断をさせやすくするため。簡単に言えば自分の幸せを壊せる存在がすぐ近くにいることを分からせる為に悪役を演じただけのこと。
「その目を見る限り、決心がついたようですね」
刀を構え私を真直ぐ見据える目には先程までの焦りや恐怖は消え、決意が見える。
「ええ、僕は刀を振るい続けます。僕にはそれ位しか出来ませんから。リーリンや零樹が僕を見続けてくれる
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