第六十二話
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レが求めると思っているのか。お前が傷ついて、もし、もし死んだとしたらリーネや木乃香、エヴァやオレが悲しまないとでも思っているのか。そんな風に考えられる方がオレは自分が情けなくなる。オレはそんなに頼りにならないか?』
「もちろんすぐに否定しました」
『親が子を心配するのは当たり前だ。たとえ、血が繋がっていなかったとしても刹那はオレとエヴァの子供で、リーネの妹であり零樹の姉でもあるんだ。だから、自分を大事にしろ。そして、幸せになれ。それがオレとエヴァがお前達に望むことだ』
「それから、私達は自分と向き合い、私は自分の幸せを見つけることができました」
「それは一体?」
「私の幸せ、それは家族と共に笑い続けること。それを為すために力を望んだ。そして、あなたに問います。あなたは何の為に力を求めて、何の為に戦うのですか」
「……僕は、僕は」
「本当の強さを得る為には自分の弱さと向き合わなければなりません。そしてあなたの弱さは私と同じもの。一人は寂しいですよね」
「〜〜〜っ、そうさ、僕は、一人になりたくないんだ。嫌なんだ、誰にも目を向けられないのが。自分が生きているのか死んでいるのか分からなくなるのが怖いんだ」
「やっと、本音が出ましたね」
「けど、これで僕は一人に」
「なるとでも思ってるのかレイフォン」
舞台脇から零樹が声を上げています。
「自分を見てくれるのが家族だけだと誰が決めたんだ。少なくとも僕はレイフォンを友人として見ている。鋭太郎だってそうだろう。少なくとも此所に二人いる。それにお前は信じることが出来ないのか、自分の家族を」
家族という言葉に釣られて彼は先程、リーリンと呼んだ女性を見る。
「ごめんね、レイフォン。今まで気付いてあげれなくて」
「違う。僕が、全部僕が悪いんだ」
「ううん、本当の家族なら気付いてあげれたはずだもん」
「違う、僕が隠していたから」
「そうだとしても苦しんでいたレイフォンを救ってあげられなかった。今までもレイフォンが孤児院の為に頑張ってくれていたのに、私は怪我を治してあげる位しか出来なかった。それでレイフォンの力になれていると思っていた」
「そんなことないよ、僕はリーリンに助けられてきた」
「だけど心の傷は治せていなかった。だからレイフォン、彼女みたいに自分の為に戦って。私は傍で見ているから」
「リーリン……」
「さて、あなたはどうします。まだ刀を取り、向かってくるも良し。または刀を置き、去るも良し。あなたの好きにすれば良い」
自分の持つ刀に目を向けて考え込む彼を視界に納めつつ、タケミカヅチと舞姫の二刀を構える。時間があるので少し話をしようと思う。
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