第六十一話
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で見せたものだけでもかなりのものだ』
紹介を受けている間も色々と考え続ける。
『足と考えを止めるということは勝利を放棄する様なものだ』
この言葉は師匠が書いている戦闘書の冒頭に書かれている言葉だ。何でも師匠の師匠が師匠に一番最初に叩き込んだことらしいです。それに基づいて考えを止めること無く方程式を作っては放棄し、作っては放棄しを繰り返していますが勝利という答えに辿り着く物は似た様なものばかりです。
つまり、自分の一番得意なスタイルで戦う。
これしか無いですね。相手の戦闘スタイルが自分と一番相性が悪い以上は仕方ないですね。
「ディル、最初に言っておきます。私は持てる手段全てを使ってあなたを倒させてもらいます」
「それこそがマスターの教えです。己の誇りを穢さないのなら、他者の誇りを穢すことを恐れるな。ここで本来の戦いをせずに破れるなら、他者を喰らい尽くす方が正しいでしょう」
なら、問題はありませんね。準備しておいた短弓を取り出し、矢を腰に装着する。戦闘用のローブの中にも暗器を大量に仕込む所を見せつけます。観客が騒ぎ始めます。さて、私の本命はどれでしょう?正解はこの試合の終了時に。
「それでは第8試合、開始」
合図と同時に後ろに瞬動を行ないながら自分の立っていた場所に矢(毒付き)を放ちます。そこには既にゲイ・ボウを振るっているディルがいますから。矢の方にも反応してゲイ・ジャルグを振るって撃ち落とします。最初から予想していたことですから更に距離を離しつつ矢を放ち続けます。時折、追い付かれた時にはマキビシをばらまいたりして(もちろん毒付き)、とにかく矢を放ち続けます。
ちなみにブラザーズとシスターズに毒は通用します。どこまで人間に近づけるかを突き詰めているので毒に反応する機能がつけられています。というよりアーウェルンクスシリーズの発展型だと思えば良いと思います。
ハッキリ言いましょう。生まれ方が違うだけで、ほぼ人間と変わりないのがブラザーズとシスターズです。
だからこそ、この戦いは私の勝ちです。
「我が手に宿るは風の精、汝が意思の赴くままに」
詠唱と共に風が吹く。別に攻撃性があるわけでもない、ただの風が吹きます。そして、私の仕掛けが本格的に作動する。仕掛けと言っても単純です。風に毒が含まれているだけですから。今まで放ち続けた矢の羽飾りに毒の粉を付けておいただけです。生まれと訓練によって師匠達にはほとんど効きませんけど、ディルになら効果はあります。一応、客席には流れないように気流の壁を作ってあるので一般人には何が起こっているのか分からないでしょう。あとは、回避に専念して動けなくなった所を仕留めるだけで良い。これが私が最近になって編み出した戦法。というよりこうでもしないと
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