第五十七話
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てもらおう。人形ほど接近できんがそれでも出来る限り近づきながら、大振りを止めて威力を殆ど込めずに小振りで連打を浴びせる。それから数分膠着状態が続くもそれは突如起こる。
「あっ、駄目ね。もう使えないわ」
ネギ・スプリングフィールドの足が折れる。バランスが崩れた所に近左衛門がすかさず拘束魔法を使用する。ここが引き際だろう。
脇目も振らずに私は麻帆良から逃げ出す。邪魔をされる事も無く学園から抜け出す事に成功する。
あっけない。
そうとしか言いようが無かった。
「やあ、ヘルマン。学園に何か用かい」
あのお方に出くわすまでは。
side out
side リーネ
「それでヘルマンはどうしたの」
『いや、それがとある資料を渡して消えたんだ』
ヘルマンが学園に来た翌日、零樹から電話がかかって来た。
「とある資料?」
『資料というよりは仮説かな?何でもヘルマンの主が行なおうとしている研究なんだけど、それに僕も協力して欲しいらしいんだ。片手まで良いのならという条件で協力することにしたんだ』
「ふ〜ん、どんな研究なの」
『一応部外秘らしいから姉さんにも教えられないけど、一言で言うなら世界のバランスを崩せる研究かな』
「それは……面白そうね」
『言うと思った。実際仮説を立てる所までしか出来てないから夢物語なんだけど、面白くはなると思う』
「ある程度目処が立ったなら連絡なさい。協力してあげるわ」
『了解』
「それで、今は何処にいるの」
『中国から東南アジアを回って今はオーストラリアだね。この後は一度大陸に戻ってロシアの方にでも行こうかと思ってるよ』
「時間的にロシアを見終わった位に帰国って感じかしら」
『たぶんそんな感じだと思う』
「分かったわ。アリスにもよろしく伝えておいて頂戴」
『うん、それじゃあお休み』
電話が切れた後、私は考える。
世界のバランスを崩す事が出来る研究。
単純に幾つか考えが浮かび、その中で零樹が協力しそうな物をピックアップする。更にそこにヘルマンというキーワードを繋げれば自ずと計画者と実験内容が予想できる。
おそらく、悪魔の精製、又は強化計画。
概ねそんな所でしょうね。一体どんな風になるのかしら。今からが楽しみだわ。
side out
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