第五十七話
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で引き受けさせてもらおう」
「なら、楽しみにしているわ」
それだけを告げて寮へと向かう。無防備に、いつでも自分を狩れる様にヘルマンに対して背中を向けて。その行動にヘルマンが動揺しているのが手に取る様に分かる。ここで私を殺せれば魔界で王の一角ともなれるだろう。現在6王の一角である毒の王サマエルが行方不明となっている。噂ではお父様に狩られたとか色々と憶測が飛び交っている。お父様は何処にいるのか知っているみたいだけど今は関係ない。とにかくその王の座が一つ空いているのだ。そしてお父様は6王全員の相手をして一方的に勝っている。その娘を殺したとなれば6王の一角、それも筆頭になれるだろう。その誘惑にヘルマンは手を……出さなかった。正確には出しかけて思い留まった。
「それで正解。バカはここで手を出すわ。そして完全に消滅させられる。ちなみにあれはここで手をすぐに出すわよ。お父様が殺すなと言われるから殺してはいないけど」
「心臓に悪いな。とりあえず私は失礼させてもらおう」
「頑張りなさい」
今度こそ完全に別れる。サーチャーだけとばして様子を見るとしましょうか。
side out
side へルマン
やれやれ、やっと行ってくれたか。本当に心臓に悪い一家だ。見た目からは想像もできない様な力を秘めている。これはアリス・スプリングフィールドも同じようだと考えれば良いだろう。逆にネギ・スプリングフィールドの脅威はほとんど無いと思っても良いだろう。あの『教授』と『闇の福音』の娘にあそこまで嫌われ、妹のみが弟子になっているという時点で大した魔法使いの元で修行等していないだろう。唯一可能性があるとすれば高畑・T・タカミチだろうが、生憎彼は魔法を詠唱する事が出来ない。魔法を使えない彼に師事することはあまり考えられない。魔法学校を主席で卒業しているが所詮はMMの魔法学校だ。これがアリアドネーや帝国なら警戒はするが問題等ほとんど無い。
先程受けたアドバイス通り手紙をネギ・スプリングフィールドに届ける様に使い魔を出す。部屋にはいなかったのでとりあえず置いて来たというのでステージで待ち続ける。しばらく待つとこちらに向かってくる魔力を感じる。そちらの方を向くと元から杖に備えられている認識阻害の魔法以外一切使わずにネギ・スプリングフィールドがやってくる。
「あなたが父さんの事を知っている人なんですか。教えて下さい、父さんは何処に」
「それは私と戦って引き出す事だ。私に勝てたら話してあげよう」
「ラス・テル マ・スキル マギステル。光の精霊19柱、集いて来りて敵を討て。魔法の射手・光の19矢」
返答もせずにいきなりの攻撃、認識阻害の結界等も一切無し。なるほど前者はともか
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