第五十七話
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悪魔襲来
side リーネ
その日は朝から雨が降り続けている日だった。授業も終わり店で用事を済ませてから寮に戻る帰り道、雨の中を傘もささずに黒いコートを着て黒い帽子を被った初老の男性が立っていた。
「申し訳ないがお嬢さん、道を教えてもらえないかね」
「ええ、構わないわよ。それで何処に行きたいの」
「すまないね、この少年が住んでいる所なんだけど知らないかね」
見せられた写真には赤毛でメガネをかけたガキが映っている。
「さあ、職員寮の方じゃないかしら。そんなのでも一応は教師なんだから」
「おや、お嬢さんはこの少年の事が嫌いなのかね」
「大嫌いよ、あなた達みたいな奴よりもね。伯爵って所かしら」
「一目で見破られるとは思っていなかったよ。名前を聞いても」
「まずは自分から名乗るのが紳士なんじゃないの」
「これは失礼。私はヴィルヘルム・フォン・ヘルマン。今は落ちぶれているが元伯爵だ」
「これはご丁寧に。私はリーネ・マクダウェル・テンリュウよ」
「マクダウェル、それにテンリュウだと」
「ご想像の通り、私は『教授』と『闇の福音』の実の娘」
その言葉にヘルマンの顔に雨以外の液体が浮かんでいく。
「バカな、なぜここにそんな大物が!?」
「何故って、ここに住んでいるからに決まっているじゃない。ああ、目的を話してくれれば、場合によっては見逃してあげても良いわよ」
「……麻帆良の敵情視察、及びネギ・スプリングフィールド、アリス・スプリングフィールドの脅威度の確認だ」
「なるほど。でも残念ね。アリスは今は私の弟と一緒に婚前旅行に出ているからここにはいないわよ。だからアリスの脅威度は教えてあげるわ。お父様達に弟子入りしてもうすぐ弟子卒業よ。それから一般人を巻き込まないのならあなたの事は見逃してあげるわ。ただし、私の家族や友人に手を出した時点で魂も肉体も殺してあげる」
「…………それではネギ・スプリングフィールドをおびき出す事ができないのだが」
「おびき出すなんて簡単よ。手紙を投げつければ良いだけなんだから。お前の父親の事を知っているってね。それと何処何処に一人で来いって書いておけばのこのこやってくるわ。あと、あれだけは殺しても良いわよ」
「何?」
「あれの事はどうでも良いのよ。むしろ邪魔なのよ。あれのせいで私達の安寧の時間を削られるのは腹が立つわ。だからこそあなたを見逃すの。殺してくれるならそれも良し、殺せなくてもトラウマを与えればそれも良し。楽しませてくれたりすればあなたが貴族に戻れる様にルシフェルとO☆HA☆NA☆SHIしてあげてもいいわ」
「それはありがたい申し出だ。喜ん
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