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迷子の果てに何を見る
第五十六話
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「昔から色々な所に連れて行ってもらいましたから、このちゃんも一緒に」

本当に色々な所に連れて行ってもらった。海に山に湖に河に雪山、火山、遺跡にジャングル、深海、宇宙、戦場に異世界。本当に色んな所に連れて行かれたな。

「ちょっと、どうしたの二人とも遠い目をして」

「いえ、ちょっと昔を思い出しまして」

「ウチらよう今まで生きてたよな、せっちゃん」

「そうやね、なんの装備も無しでエベレストにあると思われる遺跡を発掘しに行った時はほんまに死ぬかと思ったね」

「あれは酷かったな〜、結局遺跡は風化してもとったし。下山中に雪崩に巻き込まれるわで踏んだり蹴ったりやったな」

「ちょ、ちょっと二人ともそんな目に会ってたの」

「一家揃ってそんな目に会っていますが」

「まあ、お師匠様がちゃんと助けてくれるから実際に死にはせえへんけど。けど、あの時は酷かったでぇ、雪崩に巻き込まれた時、お師匠様エヴァさんを抱きかかえて偶々落ちとった板に乗って麓まで降りてってまうんやから。リーネちゃんも似た様な事して降りてってまうし零樹君が居らへんかったら本気で不味かったでぇ」

「あの雪室が無かったら本気でどうしようか悩んだもんな」

「何気にハードな生活を送っていたのですね」

あの頃は自分も若かったなぁと思いつつ、足を進める。今回の目的地は麻帆良地下湖図書館(原作2巻で出て来た場所)。正規ルートから目指すと半日とちょっとかかる場所にある……らしい。図書館探検部の昔の資料によると最後に辿り着いたのが30年程前になるらしく地図も曖昧な物で図書館探検部で優秀な班が送られる事になった。そして昨夜から潜っている。ほとんどの罠をウチとこのちゃんで除去したり、さっきの様な場所を簡単に移動できる様にし、かつ気や魔法を使っていないので少し疲労が出てくる。

「ちょっと疲れが出てるみたいね。はい、一旦ここで休憩」

ルーティ先生の言葉で周辺の安全を確保してから休憩に入る。
ルーティ先生は麻帆良に来るまでは魔法世界でトレジャーハンターをやっていたそうだがそれで一山当て、トレジャーハンター仲間だった人と結婚して、今は麻帆良でお子さんと三人で暮らしているそうだ。

「それにしても何を考えてこんな場所を作ったんだか。普通の図書館を何階層にもした方がよっぽど収納数が増えるってのに」

「司書が代々変態だったからというのが父上の見解ですが、今代の司書はかなりの変人なので変なトラップが増設されたり個人的な部屋も作られているみたいです」

「ああ、なんか見たことあるわ。薄っぺらい漫画が大量にある部屋とか」

アルはそんな部屋も作ってるんですか。軽く頭痛のする頭を抑えながらも持って来ている携帯食を食べ
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