第五十五話
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兄さん」
初めて会った頃の、10歳前後のアリスが姿を現す。
「アリス、なの?」
「ええ、魔法が使えないからと正当な評価をされなかった貴方の妹ですよ。最も今の私はあなたと違い魔法世界の重鎮から大変評価されていますがね。既に卒業試験も合格していますし、『立派な魔法使い』にも任命されましたよ。辞退しましたけど」
「そんな、魔法も使えないアリスがなんで」
「それは以前までの話しです。既に私は魔法世界でも最強の一角ですから。そもそもこの学園最強と言われているのはあのぬらりひょん、学園長ですが実際の所はかなり弱いです。それこそ私の足下にすら届きません。無論貴方はその学園長の足下にすら届きませんが」
「嘘だ、今だって武器、に……なんなの、それ」
「ああ、やっと気付きましたか。この銃は私の魔力を編んで生み出している銃です。発想の違いですね。魔法が使えないのなら魔法を使える様になるものを使えば良いという考えの元に教わった魔術ですから。天才だとまわりにもてはやされて来た貴方にならこれがどれだけ凄い魔法か分かるはずです。最もこの技術もアリアドネーなら普通の、とまでは言いませんが少し専門に教われば簡単に使えるものです。それをこの学園に来て、正確には師匠達に会ってから気付かされました。私が見ていない世界があるという事を。それから貴方が遊んでいる間に私は色々と身に付けましたよ。色々な人たちに認められるだけの力を、村の人たちの石化を解く方法を、お父さん達の行方もですね」
「父さんの!?どこなの。父さんは何処に」
父さん、か。父さん達ではなく父さん。何故そこで母親も求めない。英雄だと言われている父親しか見ないんだ。歪んでいる。こいつは根元が歪んでいる。前提条件から間違っていたんだ。歪んだ目的を持っているんじゃなくて、歪んでいるから歪んでいるものが正しく見えてしまう。歪んでいるからこそ周りを正確に捉える事が出来ない。理由までは分からないがこいつはこれで普通なのだと勘違いしてしまっているのか。
「誰が貴方に教えるものですか」
「なんで、どうしてだよ」
「貴方はもっと社会を知るべきですね。何の対価も払わずに何かを得れると思わないで下さい。私はこの情報の為に色々なものを無くしました」
主にプライドとかですね。ナギさん達に甘えている所を見事に撮影されてましたからね。
「さて、貴方は私から情報を得る為にどんな対価を払ってくれるのですか」
「そんなことどうでも良い。教えろ」
「…………巫山戯るのもいい加減にしろ。自分の立場も状況も分かっていない屑が」
今までの遊びの殺気から本当の殺気に切り替わる。そしてアリスの魔導銃から実弾が撃ち出される。足を撃ち抜き、腕を撃ち抜き、腹
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