第五十四話
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ですよね。真祖の再生力のせいか傷跡一つ残っていないんですから。女としてもの凄く羨ましいです。私は背中からお腹を貫通した傷跡が少しだけ残っています。
修行でも戦闘でもなくうっかりミスの怪我が原因です。研究用倉庫を漁っていた時に足を引っかけて転けた時の衝撃で上からかなり重く尖った鉱石が降って来て貫通されました。あまりに予想外過ぎて手当てが遅れ跡を残す羽目に。結構落ち込みました。
それはともかく一緒に入ったついでに髪を洗って貰ったりもしました。他人に洗って貰う事なんて久しぶりで違和感がありましたし、零樹もどういう風に扱っていいのか分からずに時間がかかりましたけど良いものだったと言っておきます。
朝食の時に木乃葉さんに
「昨夜はお楽しみだったみたいで」
と慣用句を貰い苦笑しながらも
「ええ、とても」
とだけ返しておきました。
その後集合時間までの空き時間に近場の土産物屋を巡り師匠達と墓守の宮殿にいるお父さん達に送るお土産を買い、手紙を一通添えて送ります。内容は麻帆良祭の時にでもゆっくり話をしたいとだけ書いて送りました。師匠の計画では麻帆良祭の武道大会でお父さん達の生存を公開する予定だとは聞いていたのでその時に時間を少し開けてもらおうと思っています。その話し合いで私は全部話そうと思います。自分が転生者である事も、これから自分がどう生きていきたいのかも全て話したいと思います。考えてみれば話し合う時間が短かったというのが私達家族の問題点では無かったのだろうか。もう遅いのかも知れませんがそれでも新しい一歩を踏み出す為に必要な事なんだと思います。
こうして私達の修学旅行は終了しました。
P.S.
恥ずかしげもなく腕を組んで集合場所にたどり着いた私達に嫉妬に駆られた亡者どもに襲われ、それを煽り、指揮していた佐久間さんを討伐したのは中々に面白かったです。あれも止めようとしてぼろぼろになっていましたし。帰りの新幹線では男子の8割と女子の3割がきぜ、ゴホン、寝ていて静かに過ごせました。
side out
side リーネ
麻帆良に帰って来て私達はまず最初に店に向かった。この修学旅行中に起こった出来事を話す為に。今の時間ならお父様もお母様も店にいるはずだからちょうど良い。
「「「「「「「ただいま〜(もどりました)」」」」」」」
「……あら、お帰りなさい」
出迎えてくれたのは心配そうな顔をしているお母様だった。その様子に私は、いえ、私達は身構えた。誰も何も言わないので代表して私がお母様に訪ねる。
「……何かあったの」
「…………貴方達の腹違いの兄が、レイトが自分と同じ位の運命と闘
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