暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十三章 「宝具」
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
てしまう。
「――危ないだろ。俺は銃口を眉間に突き付けられて良い気分になる変態じゃない」
 あくまで平然を装いながら軽口を叩いてやる。フリアグネの弁だとあの銃は指輪よりも強力な物なのだろう。戦慄している自分を気取られる訳にはいかない。
 それは失礼したね、と反省する素振りも見せずに、拳銃を離して自慢げに見せてくるフリアグネ。
「僕の本命はこれさ。『トリガーハッピー』っていうんだけど、『アズュール』が盾とするならこれは矛だね」
 東洋の諺では矛と盾と書いて矛盾と言うね、最強の矛と盾の事だったかな? 今の僕はまさにそんな状態だよ。なんて続けるフリアグネ。
 確かに矛盾と言うが用法が違う。最強の矛と最強の盾を持って俺TUEEEしてる奴を矛盾とは言わない。そんな事を、一々指摘していても始まらないから無視しておくが。
 しかし、フリアグネをして最強と言わしめる銃はなんだ?
 指輪はまだ分かりやすい。俺の常識に比較的近いものだしな。
 確かにアレが普通の拳銃でない事はなんとなく分かる。しかし、元々拳銃にさして興味もない衛宮士郎からすれば、何がどう違うのかハッキリとは分からない。
「ふふ、それじゃあこの銃の原理について教えてあげるよ。どうも自分の宝具の話をすると自慢話になってしまって恐縮だけどね」
 そう言って、フリアグネは『トリガーハッピー』とやらでガンスピンを始めながら語りだした。
「君は『フレイムヘイズ』についてどこまでの事を知っているのかな」
 唐突に銃とは違う話を始めるフリアグネ。だが話題を逸らしている訳ではないと感じ取れた為、俺の知る限り返事はすることにした。
「お前らみたいな好き勝手する連中を狩る、お人好しって事くらいだな」
 世界の安定の為、人知れず戦い続ける戦士。それが俺のフレイムヘイズの認識だった。
「好き勝手……か。その認識は概ね間違ってはいないね。それじゃあ『フレイムヘイズ』がどうやって出来るのか、それは知っているかい?」
 早速、知らない内容になったぞ。そもそもシャナと会ったのもついこの間だし、それまでフレイムヘイズなんて単語を知らなかったどころか、この世界にいなかったしな。
 そう質問しながらガンスピンを縦だけでなく横にも繰り広げる。全く、あんな事をしながら会話が出来るなんて、器用な奴だよ。
「――知らないな」
 それに包み隠さず正直に答えてやる。嘘をついたところでメリットもないだろうし、欺瞞情報を与えられたとして、それを信用するかどうかは俺の裁量だしな。
「それじゃあ、教えてあげるよ。フレイムヘイズというのは元々、我々のような私欲で行動している者とそれを憂う者。この二陣営の『紅世の徒』が対立を始めた事が誕生のキッカケだ」
 少々、嬉しそうに語り始めるフリアグネ。こいつも遠坂と同じで説明好きなタイプな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ