暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十三章 「宝具」
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別にどうという事もないさ」
 こいつは俺の中にある『宝具』の正体までは分からないらしい。
 まぁ俺自身、体内の宝具の正体が分からないんだが。
 なんと言うか、ハナっから勘定に入れていないのだ。
 なにせ異世界の宝具だしな。
出し惜しみをしている訳じゃない。
「まぁ、なんにせよ求めていた質問の八割方は、答えを得る事が出来た訳だ。お礼と言ってはなんだけど、今度は私のコレクションについて教えてあげようかな」
 分かってるじゃないか、フリアグネ。
 断片的にとはいえ、こちらの手の内を教えたんだ。
 教えてくれよ、お前の宝具を。
 最も、どこまでの情報になるかは奴次第。その上、真偽の程は分からないが。
「でも、流石に全部を見せる訳にはいかないよ? 私が言うのもなんだけど、コレクションの数が多すぎてね。全てを見せていたら夜が明けてしまうんだ」
 ふふっ、と笑いながらフリアグネは言う。
 しかし、その仕草から、それが誇張表現でない事は容易に伺える。
「どうやら君は『宝具』に関して、とても興味があるみたいだ。たとえそこに損得勘定が介在しているのだとしても、私は嬉しいね」

「まぁ、ある程度は許してくれよ。けど、お前と話をしていると思いの外、為になる事も多いのは確かなんだ。それとだ、どっちかって言うと『宝具』より『刀剣』の方が俺は好きだ」
 こいつの目利きは恐らく正しい。
 俺には気づき得なかった事も看破して見せてるからな。
 少々、嫌味な奴なのは違いない。
 が、丸っきり悪人でもないんじゃなかろうか。
「私のコレクションにも『刀剣』の類いは無い事は無いんだけどね。少々、華やかさに欠ける物だから、見せないでおくことにするよ。代わりに他の物を見せるから、それで我慢してくれないかい?」
「我慢もなにもないだろう? そもそも、お前に『宝具』を見せる義務なんかないんだぜ?」
「まぁ、それもそうだけどね。どちらかと言うと、単純に『私が見せたいだけ』って言うのもあるんだ」
 少しおどけてみせるフリアグネ。
 子どもみたいな奴だな、全く。
「そいつは構わないけど、シャナが来るまでだからな。一応、敵同士なんだから」
「大丈夫さ。それくらいの分別はわきまえているつもりだよ?」
 何にしようかな、と考え込むフリアグネ。
 さて、どうなる事やら。
 とりあえず今のところ、漏れた情報はそれほど多くはない筈だ。
 整理してみると……。
 干将・莫耶、が投影品である事が露見してしまった。
 少々、軽率な使い方ではあった。だが、俺から与えた情報は少なかった筈だ。
 間違いない。これ以上、奴を軽視するのは危険だろう。
 投影魔術についても、疑惑の影が見えるな。
 感付かれると厄介だ。しかし、恐らく最終決戦になる。押しきってしまった方が戦
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