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炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十三章 「宝具」
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け所が違う。そうだな―――、試す訳じゃないけど、俺としてはお前の意見を、是非とも聞いてみたいもんだな」
 質問を逆に質問で返す。
 相手から意見を求める形で質問をした。つまり、俺としては、例え『内容が合っていようと合っていなくとも』奴の意見を補完する形で先の質問に対して返答すればいい。
「私の意見……ねぇ。そうだなぁ、私の見立てだと君の双剣はかなりの業物だね。けど、あれは本物じゃない。いや、限りなく本物に近い物ではあるんだけど………。言うならば『唯一無二の偽物』っていう表現が一番しっくりくるかな? 本物は存在はしていないんだけど、あくまで、本物を模して造られた物だから偽物。とにかくオリジナルの物じゃない事は確かだ。複数本も『アレ』を用意できる手品のトリックは、まだ分からないんだけどね。どうだろう『狩人』としての僕の目利きの程は?」
「………」
 思わず俺は、口を閉ざしてしまう。
 俺はこいつを過小評価していたのかもしれないな。
 危険な奴だ。
 手強いとか、そんなもんじゃない。
 ただ一目見ただけで、俺の宝具が模造品だとを看破した。
 あらゆる宝具の『原典』を保持していた英雄王ならいざ知らず、別世界存在が、しかも一目見ただけでだ。
 贄殿遮那の時もそうだった。
 あいつは見ただけで、物の本質を感じ取れるんだ。
 こいつのは、俺の様に解析を使っている訳じゃない。
 もっと本質的な物………。
 魔術師で言うところの『起源』とか『属性』が近いか。
 聖剣の鞘の影響で変質してしまっている為、俺の『起源』『属性』は『剣』だ。
 言うならば、フリアグネは本質的にも『狩人』なんだろう。
 本人が意識せずとも、対象の本質を理解できる。

 戦闘において、これ程まで厄介な話はないだろう。
 こいつに対して、宝具の特性による搦め手や奇策は通用し辛いって事だ。
「黙られてちゃ話にならないだろう? それとも、なかなか良い線を突けていたと解釈しても良いのかな」
 全く、食えない奴だな。
「黙ってた訳じゃない。ちょっと驚いただけだ。俺の剣を、一目で贋作と見極める事が出来た奴は少ないからな。けど、それ以上の事を答える事は出来ないぞ」
 まだ全てを看破された訳じゃない。早めに手を打っておかないと……。
「そいつは光栄だな。外してしまっていたら、狩人のプライドに傷が付いてしまうからね。しかし、実に惜しいな。あれが宝具なら、僕のコレクションに加えていた所だったんだけど、ただの業物な上に贋作ってのはね………」
 ただの業物? どういう事だ。
「ただの業物……ね。じゃあ、シャナの大太刀はどうなんだ?」
 こちらの世界では宝具の提議が、俺の知識とは異なるのかもしれないな。
 俺の世界では『干将・莫耶』は低ランクとはいえ、カテゴリー的にはれっ
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