暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十三章 「宝具」
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ムヘイズに収まっている王の封印を解く。銃自体には何の威力もない。ただ揺さぶりをかける、それだけさ」
 この銃に撃たれたフレイムヘイズはその力を暴走させて自滅するんだ。同族殺しの罪を償うにはお似合いの贖罪方法だろう。
 そう言ってフリアグネはガンスピンを止めて、再び銃を突き出す。
 今度は俺の眉間に出なく、ビルの外の虚空に向けて。
 それは即ち、シャナが来たと意味するという事だ。
「話は終わりだよ、赤毛の少年。こうして君と話すのはなかなか楽しかった」
「士郎だ。俺の名前は衛宮士郎」
 そういえば自己紹介をしていなかったという事に気付く。最もこれから殺し合う関係の間柄だし、意味があるとは思えないが。
「もう少し君と出会うのが遅ければ、君がミステスでなければ敵同士でなく友人になれたかもしれないね」
 顔だけこちらに向けて、そんな事を言うフリアグネ。その顔は何故か悪人の物とは思えなかった。それに……。
「遅ければ……?」
 「早ければ」ではなく「遅ければ」。このほんの少しの言葉の違いが何を意味するのか、それを訊くことは叶わなかった。
「さて、おちびちゃんも来たようだ。衛宮士郎くん、決戦だよ」
 フワッと軽くステップを踏む様に後ろに飛ぶフリアグネ。
 まだ戦闘が始まる訳ではない。開始はシャナが到着次第だ。
「――投影、開始」
 奴を見据えながら『投影』を開始する。得物は勿論、夫婦剣だ。
 ――――。
 時間にして数分の沈黙、俺達は既に敵同士なのだ。もはや語らいは不要。
 もう意味もないだろうが、背中から取り出すように完成した夫婦剣を取る。
 夫婦剣を構えると同時にシャナが到着したようだ。
 呆気なく敵に捕まった事は後で弁明するとして、今はフリアグネとの戦闘に専念しなければならないだろう。
 奴の言う通り、正しく決戦となるのだから。
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