”狩人”フリアグネ編
十三章 「宝具」
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ないからね。それに基本的に我々『紅世の徒』は人間よりも遥かに大きな存在だから、どうしても器に収められないんだ」
「それっておかしい話じゃないか。じゃあ、なんで現実にフレイムヘイズは存在してるんだよ」
さっきまでフリアグネが言っていたことを否定しているようなものじゃないか。
人間に紅世の徒が収まらないとフレイムヘイズじゃないんだ。奴の話だと、その前段階からそもそも成立出来る筈がない。
「まぁまぁ、最後まで聞きなよ。器の大きさを選べない、そもそも器には入らない量と分かっているなら問題解決は簡単さ。入れる側の量を器に合わせてやれば良いんだ」
「どういう意味だよ」
入れる側の量を合わせる? そんな事どうやるっていうんだ。
そんな俺の疑問を感じ取ったらしいフリアグネは説明を続けた。
「我々と人間はそもそも存在自体が異なるんだよ。人間の尺度では難しい話だろうけどね。簡単に言うと、奴等は自分自身の存在を一部休眠させて、存在の大きさを圧縮したのさ。器の大きさまでね」
だから、フレイムヘイズの連中は王の力を十全には使えない。自分でコントロール出来る範囲までセーフティーをかけている
、と考えれば良いんじゃないかな? と懇切丁寧に補足までお見舞いしてくる。
フリアグネは本当にお節介な奴なのかもしれないな。こいつの言う事はおそらく嘘ではないだろう。こんな事で嘘をつくメリットもないだろうし。
「話が長くなってしまったね。フレイムヘイズについては以上だよ。そこで、銃の話に戻るんだけど――」
そう言った所でフリアグネは再びガンスピンを始める。しかし、その視線はビルの外を睨んでいた。言うまでもない、つまり今まさにシャナが接近中なのだろう。
「ふふっ、おちびちゃんが近づいてきたね。あの様子だと、ちょうど話の終わりくらいに到着しそうだ」
先程までの真顔から一転、再びあのヘラヘラした顔になる。
「そうかよ。余裕だなお前」
とても、敵を前にした者とは思えない。これが王たる者の余裕か。かの英雄王も言っていた「慢心せずして何が王か」と。つまりそういう物なのだろうか。王と常に余裕を失わない者なのかもしれない
そんな俺の事など気にもせず、フリアグネはまた説明を始めた。
「小さく縮める事でなんとか入れ物に収まっている物を、揺さぶりをかけて不安定にさせたとしよう。君はどうなると思う?」
銃の話じゃないのか、と漏らしながら律儀に考えてしまう自分に呆れてしまう。
その質問の真意に気付いている筈なのに、あくまで別の物のことと考えながら。
「どうって、入れ物が壊れるんじゃないか? 密閉容器にドライアイスを入れるみたいなもん――っ!?」
そう言った所で、分かってしまった。いや、質問の意味を考えない様にしていたんだ。
「そういう事さ。この銃はフレイ
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