第五十三話
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あっさりと終わったな」
「そうですね」
「死ねー」
「おっと」
「ほい」
「がはっ」
明らかに不自然な水たまりから出て来た人形の攻撃をかわし核が備わっている心臓部に腕を突っ込み引き抜く。
「おっ、結構良い宝石使ってるみたいだ」
「そうみたいですね。勿体ない、別にこれほどまでのランクの宝石を使わなくても性能を引き出す事が出来るというのに。折角ですから私達で有効に使わせてもらいましょう」
「……して」
「「ん?」」
偶々襲撃時に居合わせた赤毛の少年(後で聞いたらこいつがネギらしい。見た目以外まったくナギさんに似ていない)が震えながら何かを呟いている。
「どうして人を殺して笑っていられるんですか」
「えっ?」
「はあ?」
「人を殺すのは悪い事なのに、それなのにどうして笑ってられるんですか」
「逆に聞くがどうして人を殺す事が悪い事なんだ」
「当然の事じゃないですか」
「……スプリングフィールド先生、あなたは現実をちゃんと見ているんですか」
アリスさん、どうしたんですか。もの凄く怖いんですけど。少年は気付いてないのか。
side out
side アリス
腹が立つ。
「何が言いたいんですか」
何も分かっていない。
「あなたの夢は何ですか」
「えっ?」
「早く答えて下さい」
「父さんみたいな立派な魔法使いになることですけど」
やはり何も分かっていない。
「なら人を殺さなければならないですね」
「何でですか」
見ていて気分が悪くなる。
「あなたの父親であるナギ・スプリングフィールドは人を大量に殺した事で立派な魔法使いよ呼ばれる様になっているからです」
「そんな事嘘です。立派な魔法使いである父さんがそんな事するはず無いです」
なぜ、こんな奴の妹として産まれてこなければならなかったの。
「事実です。あなたの父親は戦争で敵を大量に殺し、裏で戦争を長引かせていた組織を壊滅させた事で英雄になった存在です。そして、その後2年間の間に自分が生み出した孤児を助けたり、暴れている盗賊共を殺した事で立派な魔法使いと呼ばれる様になったのです。本人は立派な魔法使いと呼ばれる事を嫌っていますがね」
「そんなわけない。魔法使いはみんな立派な魔法使いを目指すものです。そう呼ばれるのが嫌だなんて思うはずが無い」
私を殺してこの世界に転生させた神と愚兄がダブって見える。
「実際に嫌がっているのですよ。それをあなたも聞いた事があるはずです。そしてこうも言われているはずです。『昔
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