暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十章 「魔術使い」
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せるって事だ。
 まぁ、今の俺が安全に運用出来るもう一つの宝具を使えば、あるいは修復に存在の力が必要ないと思うが。
 けど、あの加護がこの体にも適用されるかは分からない。
 まぁ、性能の低下もあって不死に近い蘇生能力もないんだ。アレを過信は出来ないな。
 だが、外から治せるんなら話は別だ。
「サンキュ。という事は、いざとなれば俺を盾に出来るって事だな」
「………お前、それはどういう意味なの?」
 意味が分からない、という風にシャナは視線を向けてくる。
 シャナにしては察しが悪い。真っ先に言いそうな事なんだけどな。
「言葉通りの意味だ。どうせ俺は消える身だ。それに消える前に傷付いたって直せるんだろ?」
「えっ………?」
 えっ、じゃないだろ、大丈夫かシャナ。
 なんでシャナもともかく、他の皆もそうなんだ。皆が気乗りしなかったり、嫌だと思うことを進んでやってやる、って言ってるだけなんだけどな。
 別に俺は嫌だと思えないし、思った事もないから、適役だと自分で分かった上で言っているだけなんだが。
「どうせ治せるんだし、俺が敵に組み付きでもして、俺ごとぶった斬ればシャナも楽だろ? シャナは楽だし、敵も倒せる。周りに被害はない、万事キレイにカタがつくじゃないか」
 この類いの話をすると、悲しいかな、初回は何故か必ず相手と口論になってしまうのだ。
 なんでだろうね。訳が分からないよ。
「シャナだって言ってただろ? 俺は物なんだって。道具は利用してこそ意味があるじゃないか」
 シャナは一瞬、何故か怪訝な顔する。だが、すぐにいつもの顔に戻った。
「頑なに否定してたお前が言う台詞? 本当に変な奴ね……。まぁ、良いわよ。どうせお前は、ただのミステスなんだから」
「そういう事。それじゃ俺の話もそれだけだ。ここからは朝の話の続きをしよう」
 忘れてはいけないが、今は戦闘の前だ。
 そろそろ作戦会議の続きをしないとな。
「………分かったわ。それじゃ、朝の続きだけど。現状、連中は都喰らいを企んでいようがいなかろうが、大量のトーチが必要な訳でしょ?」
「そんなこと……俺に訊くまでもないんじゃないか?」
 俺よりもシャナの方が詳しいんだし、と返す。
「お前がちゃんと把握しているか確認したのよ! とにかく、目的はハッキリしてないけど、何を準備しているのかは分かってるって事」
 ウーッと唸るシャナ。
「そいつは、ご丁寧にどうも」
 やんわりと受け流す、手慣れたもんだな俺も。
 フンッと鼻をならしてシャナは続けた。
「奴等の計画にはトーチが必要………。なら、増えた分を減らしてやれば邪魔が出来るでしょ?」
「減らすって………、そんなに簡単に出来るのか?」
 そもそも、そんなに簡単に邪魔が出来れば、計画として破綻しているとしか思えない。
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