暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十章 「魔術使い」
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が知りたいんだ?
 佐藤も田中も興味津々だし。
 けど、無駄だと思うぜ? だって相手はシャナなんだ。
 案の定、当のシャナは顔色一つ変えずに逆に訊き返す。
「気に入った? なんの事よ」
「だって、昨日も放課後にずっとデートしてたろ」
「………でーと?」
 何を聞くかと思っていたけど、そんな質問をされるなんて思ってなかったよ。というか、俺とシャナが昨日一緒に居たって、なんでお前が知ってるんだ。
 だが残念だったな池。シャナはデートが何なのか、全く知らないみたいだぞ。
 それもそれで問題ありだけどさ。シャナがホイホイと悪い人に着いていかないか、お兄さんは心配だぜ。
「もしかして……、尾行けたのか?」
 ジトッと池を睨み付ける。
 まぁ、気付かなかった俺も悪い。面倒ごとに巻き込みかねなかったんだ、今後はもう少し周囲に気をつけとかないとな。
 それにしても、殺気くらいは感じ取れるようになったんだが、一般学生の視線を感じ取れてないようじゃ、まだまだ修行が足りないな。
 だが、ジトッと池を見ていると、別の所から返事が返ってきた。
「ご、ご、ごめんなさい………。私が、二人がどこに行ったのかな、って。その、池君に、訊いたから……」
 『元の平井ゆかり』は吉田と仲が良かったのか?
 昨日の感じからして、確実にクラスメートよりは深い仲だよな。
 一応、坂井悠二の記憶とも照合してみるが、『彼の記憶』からも彼女の記憶は薄れつつあるようで詳細は分からない。
 だが、恐らく仲は良かったと思われる。
 何か悩み事でもあったのか? 
 なんだか深刻そうだけど、『今の平井ゆかり』はアレだしな。
 チラりとシャナを見る。
 駄目だ、とてもじゃないが一般人は相談なんて出来そうにない。
 流石に、いきなり大太刀を振り回す事はないだろうけど、視線だけで人を殺せそうだもん、コイツ、
 親しい女子同士でしか話せない相談事だったんだろうけど、残念ながら他の人を探した方が良いと俺は思うぜ、吉田。
「まぁ、追いかけたのは後になってからだよ。最初からつけようとしてた訳じゃない。御崎大橋でちょうど追い付いたんだけど、面白そうだから観察してたんだ」
 観察……、ねぇ。
「お前らがどこかに寄ったら声をかけようと思ってたのに、延々と歩いてただけだったろ? その内、吉田さんが疲れたから、皆でジュース飲んで先に帰った、それだけさ」
「折角のデートだってのに。もっと他に楽しみようはなかったのか?」
「この甲斐性なしめ。全然見ごたえが無かったぞ。もっとサービスしろ」
 池の説明を頼んでもないのに佐藤と田中が補足する。
 結構、過激なことを言ってるけど、なんならお前らがやってみるか? 俺はいつでも代わってやるぜ?
「お前ら……」
 しかし、昨日はトーチの灯を見る
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