暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十章 「魔術使い」
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われれば死ぬかもな。ただし、俺がやる事、やらなければならない事をやってからだけど」
 ……………。
 沈黙が流れる。
 何にせよ、俺が言いたい事は全て言った。
 どうせ、すぐに消えてしまう男の戯れ言と言われれば否定は出来ないが。
 事実、そうだし。
「それじゃ、話は終わりね」
「そうだな、理解出来ないってよく言われるよ―――って」
 ――――はい!?
 なんと言いましたか、この方は?
 シャナの事だから、絶対に噛みついてくると思ってたんだけど……。
「悪い、もう一度頼む」
「話は終わり、って言ったの。計画に変更はないわ。お前も私の邪魔はしないんでしょ?」
 無表情でシャナ。
 シャナへの印象を改める必要があるな。思った以上に寛大な心の持ち主だったらしい。
 邪魔はしないとはいえ、好き勝手に物を言ったんだ。
 このまま無事で済む訳はないって覚悟していたんだが。
 それとも、単に俺に興味が無いだけか?
 事実、遠坂には幾度となく噛みつかれている。

『貴様は歪んでいるっ! そうしたのは戦争だ、聖杯戦争という戦いだっ! だから私は君を正す。世界などどうでも良い……、己の意思で!』
 って具合に。倒されるんじゃなくて、正されるだけで助かったが。
 結局、正されてないんだけどな!

「まぁ、そうなるんだけどさ。出来れば少し待ってくれないか?」
「この期に及んで何がしたい訳?」
 ジロリと睨んでくるシャナ。地雷を踏んだか! やっちまったぜ。
 前言撤回だ。それほど寛大じゃない。機嫌は悪いみたいだな。
「少しの間、一人でいるよ。俺が囮になってフリアグネを誘い出してみる」
「そんなの意味が無いと思うんだけど」
 どう見ても、見え透いた罠じゃない、と指摘される。
「俺もそう思う。けど、これ以外にフリアグネを誘い出す案が思い浮かばなかった。これで駄目なら、手遅れにならない内にトーチを消し始めてくれ」
 正直、これが最後の手段だ。
 これが失敗に終われば、もう手はない。
 フリアグネの居場所が分からない俺達は、向こうからのアクション待ちだからな。
 向こうは手下を使ってトーチを増産出来る以上、このまま膠着状態が続く訳もない。
「………。それじゃ、そうさせて貰うわ。今日は別行動で良いわね。お前はしばらくの間、囮をやりなさい。私は状況を見てトーチを消し始める。それで良いでしょ?」
 機嫌は悪いが話が分かるな、今日のシャナは。
 これはシャナに出来る最大の譲歩だ。無茶を承知で決行を遅らせてくれているんだから。
「何かが有れば、すぐにそっちに行くから。私が来るまで、すぐに消されるんじゃないわよ」
「分かった。チャンスをくれてありがとう」
 なんとか活かせれば良いんだが………。
「確実に無駄に終わると思うけ
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