”狩人”フリアグネ編
九章 「都喰らい」
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、シャナのキックで幻聴が止まったな。まぁ、所詮は幻聴さ。オリジナルには程遠いってことだな。
さらばだ遠坂、また会おう。
「それで、何の話だったんだ?」
「まぁ、お前に言ったところで大して意味の無い話だったんだけど。―――この街のトーチが多すぎるって話よ」
トーチが、多い………?
「ちょっと待て、俺は他の例を知らないから分からないけど、そんなに多いのか?」
「ハッキリ言って異常よ。この街に定住でもしてない限り、ここまでにはならない筈だわ」
昨日、シャナから得た情報だと妙な話だ。
「徒って奴らは、ただ単に喰って遊ぶためならうろつき回れば良い訳なんだよな。ということは、フリアグネの奴は、わざわざフレイムヘイズに発見されるリスクを負ってるってことだろ? そんなことをしてまでする価値のあることって、何かあるのか?」
俺は推理した内容をシャナに話す。
「察しが良いわね」
それを聞いて、少しだけ機嫌を直してシャナは答えてきた。
「フリアグネは宝具をたくさん持ってるそうよ。そして、それを収集するのが大好きらしいわ。ということは、それが関係してると言ってまず間違いないでしょうね」
共に戦う仲間として―――は見てくれてないだろうけど、足を引っ張るような奴じゃないと、認識を改めてくれたら良いんだけどな。
「まぁ、状況を整理した所でこれからすることに変わりはないよな?」
もちろん、こちらに有利な場所へ移動……。
「そうね。日暮れまではこの辺りをうろついて、その後はお前の家で待ち構えるわ」
しないのかい!
「なぁ、確かこっちに有利な場所に移動中なんだよな? うろつくってどういうことだ」
「…………」
「おい、何か言ってくれよ」
「…………」
「もしかしてアテなんて無いのか?」
「…………」
沈黙を貫くシャナ。そうそう都合の良い場所なんて無いとは思ってたけどさ、あんなに自信満々だったから着いてきてるんだぜ!?
嘘だと言ってよバーニィ。
「うるさいうるさいうるさい。だから、今まさにその場所を探してるのよ! あからさまにこっちが有利でもなく、相手にとっても可もなく不可もない場所をね!」
沈黙の末、口を開いたシャナは、ぐわーっ、と唸りをあげる。
「うわっ!? いきなり怒るなよ! 確かに、そう都合の良い場所なんて見つからないよな! 俺が悪かった!」
シャナを宥めるために、ひたすらに謝る。あれ、俺が悪いんだっけな?
まぁ、良いか。この場を納めるために、あえて悪になってやるさ。
「「…………」」
二人して黙りこむ。シャナもそれなりに負い目があるのだろう。
もっとも、シャナが悪い訳じゃない。俺だって、そんな都合の良い場所に心当たりはなかったったんだ。戦場を指定出来れば、こっちが格段に有利になるけ
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