暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
九章 「都喰らい」
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れる視線。あれもどこか痛かったような気が…………。
「士郎、人間ってのはね……、時には認めざるを得ない事もあると思うの」
 確かにそうだ。この世から争いが無くならないことや、正義の味方なんてものは存在しないこと。そして全てを救うことなんて出来ないこと。全部、認めなければならない現実だ。理想と現実の違いを認めることが、現実に立ち向かう最初の戦いなのだから。
 つまり、俺は諦めて認めてしまった方がいいのか? 自分がソッチな趣味だってことを。
「それにしても――――妙―――よね。って、――聞い――の?」

 嗚呼、俺は一体どうすればいいんだ。確かに、俺の血潮は鉄で出来てるけど、心は脆い硝子なんだぜ。
 これ以上、精神攻撃を続けられたら俺の心は粉々に砕け散りそうだよ。
 そもそも、俺はなんで幻聴に苦しめられているんだ?
 遠坂の奴、心配してくれるのは嬉しいけど、まさか魔術的な呪いを俺に掛けてないよな?

 そんなことはないだろう、と即座に笑い飛ばせないのが遠坂凛の恐ろしいところだ。
 ―――やりかねない。あの、あかいあくまなら……!
「聞いてるのって言ってるでしょ!」
「ん? ―――ぐぇッ!?」
 妙な疑いを遠坂に掛けていると突如、横っ腹に鋭い蹴りが決まった。まさか、遠坂――な訳ないな。
 蹴られた方向を見ると片足を上げたシャナがいた。あぁ、お叱りは終わったんだな。なら、もうちょっと優しく呼んでくれよ。
「いきなり何するんだ、シャナ!」
 フレイムヘイズの使命とやらも大事だが、まずは暴力以外の手段を勉強した方が良いぞ。なんでもかんでも暴力で解決できると思ったら大間違いだからな。
「さっきから呼んでるでしょ、私が呼んだらすぐに返事をしなさい」
「少し、考え事をしてたんだ! なにも蹴ることはないだろ」
「うるさいうるさいうるさい。物の癖になまいきよ!」
 のび太の癖になまいきだ、って言葉の理不尽さが改めて分かった気がするよ。ミステスには自由がないのかってんだ。
 そんな俺を見て、シャナはもう一度攻撃姿勢をとる。
 冗談じゃないぞ。なんだで幻聴に精神的ダメージを与えられたのに、これ以上追い討ちを掛けられてたまるか。
「分かった! 分かったから! 俺が悪かった、この通りだ!」
 そう言ってシャナに頭を下げる。完全に平謝りだが、プライドの為に命を賭けたくはない。そんな余分なプライドなんて、そこらの空腹王やあかいかくま、後は腹黒後輩にでも食わせてやれってな。それが、家主に威厳のない衛宮家で学んだ魔術の次に大事なことだ。
 止めよう……、虚しくなるだけだ。
「仕方ないわね。ただし、次は無いと思いなさい」
 渋々、シャナは姿勢を解いた。
 寿命が縮むぜ、全く。いや、縮むどころか命が尽きていた可能性も有ったが。
 そういや
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