”狩人”フリアグネ編
九章 「都喰らい」
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ないでよねっ! それはただの報酬で、別に深い意味なんてないんだから!」
するといきなり、ぐわーっ、と吠えるシャナ。
………なんでさ。
どうも、シャナの気に障るような事を言ってしまったらしい。
遠坂も、たまにこんな風に興奮するよな。
俺が悪いのか?
横で唸るシャナを眺めながら感慨に更ける。こう言うときは遠坂もそうだったが、下手に触れない方が身のためだ。
すると頭上から声が降ってきた。
「士郎君、そんな所でなにしてるの?」
突然の事態で正気に戻ったシャナと、ほぼ同時に上を向くと、そこには坂井悠二の母親であった坂井千草が、窓から不思議そうな顔でこちらを見下ろしている。
すると、シャナが口元を押さえて、邪悪な笑いをみせる。
「………見つかっちゃったわね、しろ〜くん」
「……なんだよ」
なんかイントネーションが違うだろ。それに、今の今まで俺のことは名前はおろか、名字ですら呼ばなかったよな?
というかなんだその笑いは!!
そんなに面白い名前か?
まぁ、前の世界で俺を『士郎君』と呼ぶ奴は居なかったけどさ。
出会ったときの切嗣位か?
大抵、衛宮だとか士郎だとかシロウだったからな。先輩とお兄ちゃんはあえて排除。俺は年下趣味じゃないからな!!
俺の心の安定を図るため、冷静で俺が被害者だと分かってくれそうな“王”に千草にバレないよう小声で訊く。
「アラストール、アンタは俺の味方だよな?」
「なんのことだ、しろ〜くん」
「………なんでさ」
いつしか、頭上には星が煌めいていた。だが、その星の煌めきがなにやら不吉なものに、俺にはみえてしまっていた。
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