”狩人”フリアグネ編
九章 「都喰らい」
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ルは言うが、彼は殆ど確信しているんじゃないだろうか。
そして、話を聞いた俺にも同様に確信はある。なにせ、現実ってのは常に悪い結果が出るものだしな。
しかし、そんな俺の懸念をよそに、シャナは気楽そうに答えた。
「見た限りじゃ、トーチの数は一割には程遠いみたいね。潰すなら、早い内が良いんでしょうけど、見つけるのは難しいし」
「とはいえ、悠長な事を言ってる場合じゃないだろ。何か良い方法はないか?」
「とりあえず、こっちにはお前っていう餌がいるのよ? あの宝具コレクターが、お前を都喰らいに巻き込むことは無い筈だわ」
◇
あの後、シャナはメロンパンの演説を始めるし、狼と称される高校生達が半額の弁当を賭けて壮絶なバトルを繰り広げるやらで、スーパーに対する新たな見識を得た俺は、帰り道のトーチの鼓動観察を終えて、シャナと坂井家に帰り着いた。
歩くペースが遅くなったので、その頃には既に黄昏の色が深まっている。
しかし、俺は家に入らずに家の塀際の茂みの中にしゃがみこんだ。
シャナが不思議そうに訊いてくる。
「なにしてんの?」
「一応、俺の保護者になっている人がいるんだけど、その人が一緒にいるときに昨日みたいな騒動があったらまずいだろ。本当はもう少し早く帰って外に出直すつもりだったんだけど、この時間からじゃそうもいかないしな。けど、家の中に居たんじゃ家ごと吹き飛ばされるかもしれないし、外の様子が掴みづらい。だから、こっちの陣地かつ屋外に居ようと思ってさ。気休めかもしれないけど、せめて日が沈むまではここに隠れてるつもり」
「………ふぅん」
少しの間シャナはどうするか考えていたようだが、その後、無言で俺の側にしゃがみこんだ。
そして、スーパーの袋から、キャンディの袋を取り出す。さっき買ってた奴だな。
別段する事がなかったのでその姿を眺めていたら、シャナは袋から取り出したキャンディを差し出してきた。
「……あげる」
「ん? ……あぁ、ありがとう。いきなりどうしたんだ?」
キャンディを手にとってから、シャナに質問をする。いきなり飴をプレゼントしてくれるようなキャラとは思っていなかったため、何か裏があるような気がしたからだ。
どういう風の吹き回しだ?
「別に、ただ今日は『都喰らい』の事で役に立ったから。昨日、お前がくれたコーヒーと同じ。報酬よ報酬」
えらく安っぽい報酬と思ったが、それに関しては昨日のコーヒーも大差ないので何も言わないことにした。
それにこういうのは質の問題じゃなくて、気持ちが大事だしな。
「けど、素直にありがたいな。疲れたときは甘いものが一番だし、お心遣い感謝します」
俺は、少しオーバー気味に頭を下げて感謝の意を表する。普段使わないような言葉も使って。
「かっ勘違いし
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