”狩人”フリアグネ編
九章 「都喰らい」
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そう言って俺はシャナを見る。
それに、フレイムヘイズが皆、シャナみたいなのだったら協調性なんて欠片も無いだろう。
「どういう意味よ?」
おっと、シャナに気付かれたか? 本当に良い勘してるよ。いや、誉めてるんだぜ?
「いや、なんでもない」
間髪いれず返答する。変に間が空くと返って不信がられるしな。
「………とにかく、世界をうろついてれば“徒”の喰い滓のトーチは自然と目に入るわ。灯の燃え具合で古いか新しいかは分かるから、後はその付近を見張ってれば良いって事よ」
「案外といい加減だなぁ、はっきりと敵を捕捉出来ないのか?」
つまり、いつも後手に回ってしまうのは必至ってことだ。
「だいたいの感覚で、いるって事は分かるわ。それに近くに来たり封絶したりすれば、かなり細かい場所まで特定できるの。お前を最初に見つけたときもそうよ。急いで飛び込んだら、いきなりトーチの姿形が変わったんだもん、ビックリしちゃった」
そう言いながらも、シャナが相変わらず手すりの上を跳ねているので、そろそろ注意をする事にしよう。
やっぱり落ち着かない。シャナの身の危険だけでなく、俺の精神衛生的な意味で。
こういうときは搦め手に限る。行為でなく、二次被害を指摘してやれば良い。いくらシャナとはいえ、行為以外――、この注意なら聞く筈だ。
「気持ち良く歩いてるところに悪いけど、自分の着てる服がどんな服か忘れてないか?」
そう言った途端、横から蹴りが顔面めがけて飛んできた。間髪入れずに飛んできたぞ、おい!
まぁ、そう来ると思ってたし素直に当たってやる程のお人好しでもなけりゃ、マゾでもない。
俺は歩みを止め、首を後ろに反らして蹴りを避ける。案の定、俺の未来位置を予測した偏差攻撃だった為、避けるのは簡単だ。
―――こちらの未来位置に攻撃をしてくるのなら、その地点に居なければ良い。
ということで難なく回避した訳だが、俺が避けた事に納得がいかないようだ。手すりから降りたシャナはどこか不満そうに俺の横に立った。
だが、流石に下りた後まで攻撃をする気はないらしく、そのまま立ち止まって先程の会話を続けてくる。
「連中が喰うために封絶をすれば、そこに割って入る。向こうが噛みついてきたら倒す。簡単なものよ」
「要するにフレイムヘイズは個々人で、いきあたりばったりで戦ってるって事か」
確固たる意思はあっても、明確な目標を定めていることは少ないってことだろう。フレイムヘイズ間の繋がりが薄い以上、確かに敵を探して撃滅することは難しいだろうしな。
「そんなところよ。“紅世の徒”の理屈だと、この世に潜り込んで喰うのも勝手なら、それを追って討ち滅ぼすのも勝手ってこと」
シャナがそう言うと、アラストールかムッとした声でシャナに答えた。
「勝手などと気楽なもの
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