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37 日常って

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キリトとアスナが窓の下でいちゃついている。
その光景をなんともなしに見つめる俺の口にはとある黒色炭酸飲料の姿があった。
と急に目の前の席でズズッと音がしてあわててそちらを見た。
「なんだよ、リズ。いたのか」
「いたのかじゃないでしょー。っていうか今まで気づかないってどういうことよ」
「考え事をな。っていうか汚いだろお前」
「うるさいわねー」
こいつはリズ。現実での名前は篠崎里香。プレイヤーネームはリズベット。
SAOでは鍛冶屋を営んでいた。アスナの一番の友達らしい。
「そうですよリズ・・・里香さん」
「あれ?シリカもいたのか?」
こっちはシリカ。現実での名前は綾野珪子。ピナというモンスターをテイムしていた。
どちらもキリトを狙っている女の子たちで必然的に俺たちは知り合った。
「あーあ。こんなんだったら『一ヶ月休戦協定』なんて結ぶんじゃなかったなー」
「里香さんが言い出したことじゃないですか!一ヶ月だけあの二人にイチャイチャさせてあげようだなんて・・・。甘いんですよ」
キャイキャイと話している二人をおいて俺は食堂を出て教室へ向かう。
教室の入り口でナツを呼んだ。
「ナツ!帰るぞ!」
「はーい!」
ナツは友達に別れを告げると隙間を抜けて俺のところへと来た。
「今日はどうだった?」
「えっとね、今日は・・・」
とりとめのない話をしながら俺たちは帰途へついた。



「ただいま〜」
俺が玄関でそういうと
「お帰りなさーい」
とリーファの声が聞こえた。
そんな状況が初めてで最初は恥ずかしかったが今はもうなれた。
「今日の夕食は?」
「カレーだよ」



SAOにはいる前は思っても見なかった。
俺が普通に生活できるなんてさ。
・・・生きててよかった。
柄にもないことを思いながら俺はリビングへと入っていった。


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