”狩人”フリアグネ編
八章 「動乱の果て」
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校。奴と俺の間柄は、教師と生徒。この立場の差が腹立たしい。
結局、俺は権力に屈しないといけないって事かよ!
こんな悪行は許せない。いや、許して良い筈がない。
もう知らないからな。運が良くて停学、悪くて退学かもしれないが構うもんか。こっちはどうせ高校レベルの学習なんてとうに終えてるんだ。この教師には、職務にあるまじき行為をした報いを受けさせてやる。
だが、視線を強めながら体育教師に向けて一歩踏み出した時、予想外の事が起きた。
―――あの野郎、いきなり飛びやがった。
あ…、ありのままに今起こった事を話すぜ。奴を許せないとたまらず一歩踏み出したら、教師がいきなり飛んだ。
な… 何を言っているのか、分からねーと思うが、俺もなんで飛んだのか分からなかった。
頭がどうにかなってるのかと思った……。気流操作系の魔術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。
このネタはいい加減しつこいよな、俺。
そんな具合に俺を含めたクラス一同、皆が一瞬呆然とした後、我に返って見た先には平井ゆかりことシャナが運動靴の底を見せて立っていた。
という事は、体育教師はシャナに蹴られてすっ飛んだのだろう。魔術だとか超スピードなんて関係なしに単純な力業で。
ほらな、もっと恐ろしいものだっただろ?
――全く、少し目を放したらコレだからな。
事情が事情だけに仕方がないが、シャナから目を離したのはミスだったな。おかげで俺の頭も冷えたが。
俺はどうするものかと頭を抱えるしかなかった。頭が冷えた代わりに、頭が痛いよ。大方、意味のない運動に我慢の限界だったんだろう。
だが、シャナはふらついて倒れかけていた吉田をついでにしっかりと片手で受け止めてもいたので、自分の為だけでもないようだ。
それ程、長くない付き合いの俺が言うのもなんだが、珍しい事もあるもんだな。
「さっきからずっと走ってしかいないけど。これは、一体なんの授業なのかしら?」
そう言いながら、肩にもたれ掛かる吉田を見て、シャナは眉根を寄せる。
吉田を心配して………る訳ないよな。なにもたれ掛かってんだ、って感じだろう。頼むから、そっとしておいてやってくれよ。仕方ないだろ?
それにお前はどうせ授業の意味が聞きたいだけなんだ、なら矛先は吉田じゃなくて体育教師に向けておけよ。
そう考えていると、シャナは案の定、俺の予想通りの質問をした。というか、俺もそう思ってたしな。
「無意味な訓練ね。無闇に体を動かすだけ、なんて疲れるだけで時間の無駄だわ」
「ひ、平井……!!」
相変わらず、煽りに定評のあるシャナ。まぁ、毎回正論だから本人にとっては煽ってるつもりはないんだろうけど。それを聞いて、起き上が
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