武方3兄弟
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
販機で一服していた俺たちが中を覗くと、そこには3人組の姿があった。
「いーけないんだーいけないんだー!」
「うるせぇ!!」
円堂や子供達の抗議をまるで聞く耳持たない3人組。
「ん…?豪炎寺!久しぶりだな、決勝戦から逃げたツンツン君!」
「く…」
「誰だ…?知り合いか?」
俺がそう豪炎寺に聞くと、豪炎寺は軽く頷いた。
「俺たちは武方…勝!」
「友!」
「努!」
「「「3人合わせて武方3兄弟!!」」」
「お前ら、頭いかれてんのか?」
俺は変なポーズを決め、おばあちゃんを驚かせた、この3兄弟にそう言った。
「な、なんなんだよこいつら?」
円堂がそう聞くと、鬼道が即座に答えた。
「そいつらは去年豪炎寺の代わりに決勝に出場した、木戸川清修のスリートップだよ」
「さすがは鬼道有人、有力選手のデータは全てインプットされてるみたいだな」
「3つ子のFWが珍しかったから覚えていただけだ」
「ぷっ…!鬼道なかなかお前、えぐいな!」
俺は思わず笑ってしまった。
だって対戦したことのある相手だが、3兄弟のFWだから覚えていただけで、ほぼ無視みたいな言い方だったからな。
「なにィ!?今年の俺たちの活躍を知らないのか!」
「まぁ知らないよな」
「ああ知らないな」
俺が最初に言うと、鬼道も知らないなと口を揃えた。
「ま、せっかく挨拶に来たんだしィ、今の豪炎寺クンの力を見てみたいなぁ〜みたいな?」
「…悪いがその気はない」
「おやぁ?また逃げるつもりですか?やっぱりお前は臆病者の卑怯者だ!!」
罵倒の言葉を吐きながら、いきなり豪炎寺に向かってボールを蹴とばした3兄弟。
やはりこいつらにとって豪炎寺は、決勝の舞台から逃げ出した裏切者と思われてしまっているようだ。
バシイイイッ!!
「くっそぉ…!もう我慢できない!俺が豪炎寺の代わりに受けて立ってやる!」
「うわ…マジで時代遅れの熱血君て感じ」
「やるのかやらないのか、どっちだ!」
「ふふん、卑怯者の豪炎寺クンと違って俺たちが逃げるわけないっしょ?」
そんな3兄弟のシュートを叩き落として激昂する円堂。仲間をこれほど口汚く罵られて、円堂が黙っているわけがない。
俺も円堂が出なかったら、俺が多分、手を出してしまっていたかもしれないしな。
3兄弟を川原のグラウンドへと連れ出し、3兄弟とシュート1本勝負の対決を行うことになった。
「それじゃあ武方3兄弟の力…見せ付けてやりましょうかァ!!」
そう言うと3兄弟の長男らしき奴が、青い渦を巻ながら、空へ上昇していく。
「こ…これは!?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ