Black cat a prank 1
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漆黒の建物が目の前にそびえ立つ街の前に着く俺たち。
その姿はまるで何が人ならぬ者が出そうな雰囲気を醸し出している。
「ここが暗黒街…。」
俺がそう呟くとアリスは少し補足説明をいれる。
「かつては『Black on City』と言われ、栄えた街ですが。
今や、人がいなくなりここはモンスターの温床となっています。注意して進みましょう。」
そう言って俺の後ろに隠れるアリス。その後ろに隠れるニナ…。
俺はニナの首根っこを押さえてアリスを見る。
「お前らは何をやっているんだ?」
「え?だってぼ、僕は後衛で待機してます。」
「…。エ!べ、別にこんなゴ、ゴーストタウンなんて…こ、怖くないですよ…!は、はい。」
「あれあれ〜?アリスちゃん?クールな表情が崩れてますよ?」
「わ、私はいつも通りです。」
ガチガチに震えるアリスをからかうニナを見て。俺ははあ、とため息を吐いた。
今回はアリスは使い物にならなさそうだな…。
と心の中でつぶやく。
「まあいい。お前らはぐれずについて来いよ?」
俺はそう言って先行する。
この暗黒街は漆黒の建物が多いため、日中でも熱を建物がだして熱い。しかし少し通りに入ると今度は森の様に建ててある建物の影になり一気に涼しくなる。
そうして1番通りの曲がり角を曲がり、18番通りへと続く一本道を歩くとふいにアリスが怖さをまぎわらせるためだろうか?不意に話し始める。
「そ、そういえば『暗黒街の黒猫』ってけ、結局のところ一体何なん、でしょうか?」
「うーん…。僕?」
「まあ、そう考える事も出来るでしょう。」
ニナがニヤニヤしながらアリスに言うとアリスはいつも通りのジト目で。しかしどこか楽しそうだった。…周りを怖がるのは相変わらずだが。
「確かに暗黒街の猫ですね。白猫ですが。」
「え〜?つまんないよ。もっと面白いの!」
「そうですね…。フォルツが…!」
「え〜??それはないよ!フォルツは。」
どうやら俺の話をしているらしいが聞こえない。俺は地獄耳ではないのだ。
…気になるな。
俺は堪らず後ろを向く。
「お前ら。いい加減に…。」
そう言って振り向いた時。後ろにはだれも居なかった。まるで煙の様に忽然と。
まるで最初から人なんて存在していなかったの様に。
「…!」
俺は周りを見渡し、空も見る。
いない。何故だ??さっきまで後ろでくだらない話をしていたのに。しかも隠れる所がない一本道だ。
まさか…!ソーニャ?
いや、ソーニャだったらアリスは消さないはずだ。
「…。
落ち着こう。」
俺は眼を閉じて神経を研ぎ澄まさせる。アリスだけ消えたならまだしもニナも一緒に消えたのならまだ探す方法はある。
…ニナは俺の半身だからな。
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