暁 〜小説投稿サイト〜
RSリベリオン・セイヴァ―
第一話「夜空の巫女」
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何よ! このダメ男。自殺しちゃえ!」
「んだとぉ?」
俺が怒るのを気に舞香は階段を駆け下りていった。
「何なんだよ……」
舌打ちすると、俺は部屋に入ってベッドに横たわった。横たわりながら目の前を見つめる白い天井を見続け、しばらくふて寝しようとした。けど、さっきからモヤモヤが残ってどうも落ち着いて寝付けない。俺は、ふとベッドから起き上がって再び部屋を出た。
「散歩、すっか……」
気を紛らわすため、俺はもう一度外へ出て帰ってきた道をもう一度歩いた。

――ああ、職安であんなことしなけりゃよかった……
今思えばとても後悔していた。一番家から近い職安で、頭に来たからってあんなことしでかしてしまえば、訴えられるか最低でも出入り禁止になってしまうだろう。
「ほかの職安で探すしかないか……?」
とはいえ、今日以外の職安はここから5キロ以上もある遠い地区にある。自転車で行くしか方法はない。
「あーあー……藍越学園を卒業したって、100パーセント就職できるってわけじゃねぇからな?」
偶然がごとく、補欠合格で運よく藍越に入学が成功し、そこでいろいろなことがありながらも学園生活を続かせて成績ギリギリでやっとの思いで卒業できた。
しかし。
「俺だけ特別出来が悪いのかな? それとも運の悪さ? どちらにせよ、俺のできの悪さは近所からも有名だったしな? ったく、高級住宅街とかにいるからだよな……
俺の家はそこそこな金持ちだったから、金持ち共が集う高級住宅街のエリア9に住んでいる。
IS社会になってから日本の富裕層が激しさを増し、貧困な人間たちによる犯罪が多発した、政府はメガロポリスを含む全都道府県を99カ所のエリアに分けた。
まるで階級社会のようで人道的にどうかと思われるが、被害の拡大を防ぐにはこれしか方法がない。何せ、自爆テロやレジスタンスによる抵抗などが相次いでいるため、危険を防ぐために厳重かつ細かくエリア化されるのだ。

公園まで歩き、俺はふとベンチに腰を下ろした。目の前に映る景色は女尊男卑なんて嘘のように男女が寄せあって仲良くしている。しかし、どうせ恋人とまではいかないんだろうな? きっと、男は女に遊ばれているのだろう? 今や、女の方が権力が強いからつき合ってといわれたら男の方は「YES」としか言えないだろう。
「……?」
そんなとき、
『助けて……』
「え?」
誰かは知らない見知らぬ声が、俺に囁くように呼びかけてきた。それも女の子の声だ。
「誰だ?」
呟き、辺りを見渡すが。先ほどのような光景が続くだけで俺に声をかけるような奴は一人もいなかった。
「……」
気のせいか、そう思って再びベンチへ深く腰を掛け直すのだが、
『誰か、助けて……』
「……?」
何度も俺に呼びかけてくる。いったいさっきから何なんだ?」
「何だ
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