第一話「夜空の巫女」
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段を上る。
「……ところで、面接は受けることができたか?」
嫌味のように親父が言ってきた。俺は無視したいが、そうしたら後ろから鼻で笑われそうだから堂々と正直に言ってやった。
「ダメだった……」
そしてたら、
「フン、やはりな……」
聞き取れにくいような声で親父が呟いた。咄嗟に俺は舌打ちすると、親父は俺に向かって追い打ちをかける。
「大学受験に落ちたのはどこのどいつだ?」
アップで迫って指をさす親父には、毎度呆れる。おつむは一流でも、頭はガキ同然のようだ……
「はいはい……愚息である私ですよ?」
と、俺もそれ相応に言い返した。
「何だ! 父親に向かってその言い方は? 私がいてからこそ、お前は生きてゆけるのだぞ?」
またこれだ……親父は何かあると、「私がいてこそ!」と、いう口癖で俺を見下し始める。
「そもそも、お前は……」
――ああ、下らねぇ……
「……ウゼェ」
つぶやくと、俺はソッポを向いて自室へ向かった。
「こら! まだ話は終わってないぞ?」
親父が呼び止めるも、俺は軽くスルーした。
――冗談じゃねぇ! あんな糞リアリストの説教なんかこれ以上聞きたくねぇぜ……
俺はそう階段を上がって自室に入ろうとするが、目の前からいきなりドアが開き、勢いよく鼻先に激突してしまった。
「いってぇ〜!」
「あ、兄ぃ?」
すりすりと鼻をなでる俺の前に一人の少女が部屋から出てきた。
コイツは俺の妹の九条舞香だ。俺よりも文武共に優秀で、今年から「IS学園」に通う予定らしい。
全く、どうして世の中に``まがいもの``なんか出てきちまったのかね?
IS、通称インフィニット・ストラトスは元々「宇宙開発」のために作られたパワードスーツである。
その性能は素晴らしく、兵器にも匹敵する代物であった。しかし、一つだけ欠点が存在する。
それは、「女」にしか扱うことのできないことであった。そのれに関し、世界は一時ISを欠如品として却下する予定であったが、それを許さない開発者の篠ノ之束は親友と共に「白騎士」事件というISによる暴走事件を起こした。
天災こと、篠ノ之束が世界各国の軍事施設へハッキングをかけ、日本めがけてミサイルをぶっ放してきやがった。そのミサイルの雨を、後に「白騎士」と呼ばれた親友がISを纏って上空のミサイルを全て撃ち落したのである。
これで世界は絶叫、ISを世界最強の兵器として評価し、ISの影響で世は女尊男卑と呼ばれる理不尽な世界へ変わっていってしまったのである……
「いきなり何しやがんだ?」
「アンタが、いきなり突っ込んできたんでしょ? 本当に邪魔ね」
と、高々と鼻で笑って舞香は部屋を後にした。
「ったく、本当に可愛くねぇアマだ……」
無論、俺の妹も今では立派な女尊男卑を掲げる高慢ちきなガキに成り下がっている。
「
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