第二百二十四話 帝との話その五
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「麿も覚悟を決めたでおじゃる」
「それだけに」
「左様でおじゃる。では帝とお話をされ」
「そのうえで決めます」
「これからのことをでおじゃるな」
「朝廷ではそれがしにですな」
「右大臣殿は天下を統一された大きな功績があるでおじゃる」
だからだとだ、近衛はこのことからも語った。
「それだけにでおじゃる」
「その功で、ありますか」
「関白、太政大臣、征夷大将軍のいずれか一つか」
若しくはだった。
「そのうちの二つ。右大臣殿が望まれてば」
「それぞれの官位を得ていいと」
「考えていたでおじゃる」
「二つといいましても」
それでもとだ、信長は近衛に案内してもらいながらこう返した。
「関白と太政大臣は共にはなれませぬ」
「そうでおじゃるな」
「そしてそれがしは武門」
「ならば征夷大将軍は外せないでおじゃる」
「それと関白をですか」
「考えていたでおじゃるが」
それでもとだ、近衛は案内しつつ語るのだった。
「しかし、でおじゃるな」
「はい、その何者かを突き止め」
「そのうえで」
「確かに成敗出来る様になってから」
「それからでおじゃるか」
「それがし、承りたいと考えています」
「慎重でおじゃるな、右大臣殿は」
近衛は信長の言葉と考えを聞いて歩きつつ感嘆して述べた。
「考えておられるでおじゃる」
「ことは大事、天下を乱す者は」
「ようやく統一され泰平になるでおじゃるからな」
「放ってはおけませぬ」
絶対にと言うのだった、信長も。
「何があろうとも」
「それでは」
「天下の為にまずはです」
「わかったでおじゃる、では天下の為に」
「帝とお話をします」
信長は近衛に案内されつつだ、近衛と話してだった。
そしてだ、そのうえでだった。
その帝と内裏の僅かな者達だけが入られる部屋に入った、するとそこには帝がおられていた。御簾を通してでない帝のお姿は落ち着き実に整ったものだった。
その帝の御前に出てだ、信長はまずは深々と頭を垂れた。
「帝、この度は我儘を言い申し訳ありませぬ」
「よいのです、関白から話は聞いています」
帝は部屋の入口に控えている近衛に顔を向けつつ答えられた。
「この度のことは」
「左様ですか」
「はい、ですから」
「では麿はこれで」
ここでだ、近衛はこう帝と信長に言った。
「場を外します」
「かたじけない」
「いえ、よいです」
近衛は畏まってだ、信長に答えた。
「お話あれ」
「さすれば」
こうしてだった、ここは信長に任せることにした近衛が去り彼によって部屋が閉められた。そして二人になり。
ここでだ、信長はすぐに帝に言った。
「帝、実は天下にです」
「はい、まつろわぬ者がですね」
「おりそれも何か大きな力とな
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