第一幕その五
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「そうしているんだ」
「そうなんですね」
「あの娘はそうした娘なんだ」
「生粋の冒険者で」
「そう、いつも周りに人がいてくれる」
「神様のご加護があるんですね」
「そうだね、あの娘にはね」
それがドロシーだというのです、こうお話してです。
そしてです、五人はボームさんと一緒にお茶とお菓子を楽しみました。ういろうは七種類あってそのどれもが美味しいです。
ボームさんとお話をしてからです、五人は王宮の中庭に出ました。そこでかかしや木樵と一緒にクリケットをしているドロシーに会ってです。
ボームさんのことをお話しました、するとです。
ドロシーはにこりと笑ってです、五人にこう言いました。
「あの人がアメリカを去る時にね」
「その時にですか」
「そうなの、皆であの人がオズの国に来る様にお願いしたの」
「それでオズの国に来られたんですね」
「しかも王宮にね」
そこにというのです。
「そうお願いしたの」
「そうだったんですね」
「そう、それでね」
「それで、ですか」
ジョージがドロシーの言葉に応えます。
「ボームさんはこの王宮に来られたんですね」
「そうなの」
「成程、そうだったんですね」
「それで来てくれて」
そしてというのです。
「今は皆と楽しく過ごしているのよ」
「オズの国の歴史編纂係としてですね」
「あの人がいなかったら」
それこそともお話するドロシーでした。
「私達のことを誰が皆に教えてくれたか」
「うん、そのことはね」
「わからなかったよ」
かかしと木樵も言うのでした。二人共今日はエメラルドの都に来てドロシーと遊んでいるのです。横には臆病ライオンと腹ペコタイガーもいて気持ちよさそうに寝ています。
「果たして誰が教えてくれたか」
「一体ね」
「そのことはね」
「わからなかったね」
「そうなの、ボームさんがいてくれたから」
ドロシーも言うのでした。
「私達のことが皆に知ってもらってね」
「そしてね」
「後にも王室編纂係の人が出てくれたんだよ」
「今も書いてくれていて」
「賑やかになっているんだ」
「そうなんですね、最初にボームさんがいてくれて」
そしてとです、ジョージはまた言いました。
「後の人も出て来たんですね」
「最初に誰か出てくれないと」
ドロシーがお話しました。
「何もはじまらないのよ」
「ううん、そうなんですね」
「最初に誰か出てくれないと」
「お話は動かない」
「何もはじまらないんですね」
「そうしたものなんですね」
ジョージだけでなくです、四人も頷くのでした。
「ううん、ボームさんがいてくれなかったら」
「僕達もオズの国のことを知れなかったかも知れないんですね」
「そしてこうしてドロシーさんに会えなかった
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ